春日宮曼荼羅図とは? わかりやすく解説

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春日宮曼荼羅図

主名称: 春日宮曼荼羅図
指定番号 1964
枝番 00
指定年月日 1998.06.30(平成10.06.30)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 絵画
ト書
員数 1幅
時代区分 鎌倉
年代
検索年代
解説文:  画面の上辺に春日山三笠山若草山、その下に、春日大社本殿および若宮、さらに二の鳥居経て左下東西両塔、下辺中央の一の鳥居に至る景観描かれる春日三笠山社殿の間には、五社神々対応する本地仏、(左から十一面観音地蔵菩薩薬師如来釈迦如来文殊菩薩)が円相内に表される若草山参道回廊の床、土坡の一部などには金泥を、若宮本殿内院および中院、両塔回廊内のそれぞれの地面には銀泥を刷いている。縦が一八センチメートル超え、しかも絹継ぎのない一副絹の大幅である。
 この形式の春日宮曼荼羅図では、正安二年(一三〇〇)の製作であることが表背の押紙から知られる湯木美術館本がすでに重要文化財指定されているが、本図はこの湯木美術館本に比べ周辺部小さな祠など、より多く点景描き込まれている。また、最近現存する春日宮曼荼羅図において、特定の樹木や滝など、多く共通する点景諸作品を通じて描き継がれており、それらが春日宮曼荼羅図としての景観特徴づけていることが指摘されている。本図においてはそのような点景豊富に描かれているだけでなく、外院の滝や一鳥居のなかの群生する特徴的な樹木など、他の作品では比較描かれることの少ないものまでもが描き込まれている。さらに、本殿前に本殿向かって礼拝する人物群が、若宮神楽殿建物内には童形若者と、烏帽子被った人物向かい合って描かれているのも他に例をみないもので、注目されるところである。
 本図保存状態はよく、良質顔料鮮やかな色合いがよく残る。描写きわめて精緻で、建築物樹葉などが微細な部分にいたるまで丁寧に描かれている。制作期は金銀泥を多用し、色鮮やかに描かれ景観表現や、柔和な相好をみせる本地物描写などからも、鎌倉時代末期下らないころにおいてよいであろう本図は、その大きさ特記されるところであり、一四世紀に至るまでの春日宮曼荼羅十数点が知られているが、そのなかで最大級を誇る。春日宮曼荼羅代表する優品の一ついえよう
 なお、本図近年まで行われていた奈良市中心部南市春日講の本尊として伝来したのである。旧箱の箱書から少なくとも慶長十九年(一六一四)にはこの春日本尊であったことがわかり、信仰史的にも興味深い
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