経腸栄養剤
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栄養管理の方法は、「静脈栄養」と「経腸栄養」の二つに大別されるため、胃瘻で用いる人口栄養剤は経腸栄養剤(英: enteral nutrition; EN)と称される。さらに、消化吸収の窒素源の形態によって、成分栄養剤、消化態栄養剤、半消化態栄養剤に、また取り扱い形式からは、医薬品と食品に分けられる。医薬品は、医師の処方が必要であり保険適応になるのに対し、食品は入院中には食事として提供され、外来では医師の処方は必要ないが、自己負担となる。 代表的な経腸栄養剤(医薬品) ラコール配合経腸用液(大塚製薬工場) ラコールNF配合経腸用半固形剤(同上) エンシュア・リキッド(アボット) エンシュア・H(同上) ツインラインNF配合経腸用液(大塚製薬工場) エレンタール配合内容剤(EAファーマ) 代表的な流動食(食品) レナジーU(クリニコ/森永乳業グループ病態栄養部門) へパス(同上) インスロー(明治) アイソカル(ネスレヘルスサイエンス)
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経腸栄養剤
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 15:28 UTC 版)
経腸栄養剤には天然濃厚流動食、人工濃厚流動食、病態別経腸栄養剤がある。人工濃厚流動食には半消化態栄養剤、消化態栄養剤、成分栄養剤が存在する。天然濃厚流動食、半消化態栄養剤は窒素源が蛋白質であるが、消化態栄養剤はオリゴペプチドであり成分栄養剤はアミノ酸である。細かくなるほど流動性、残渣という点では好ましくなるが、味、香りの面で劣りまた高浸透圧となるため管理が難しくなってくる。細かくなると腸管免疫の維持という点では好ましくなくなると考えられている。ラコール、ツインラインはビタミンKが60μg以上含まれているために抗凝固療法では注意が必要である。 天然濃厚流動食 天然濃厚流動食としてはオクノス流動食やファイブレンYHなどがこれに該当する。正常な消化吸収能が必要であるため、パーキンソン病患者など、経口摂取障害、嚥下障害で用いられる。粘度が極めて高いため太い経管栄養チューブが必要である。浸透圧が高いため開始後に下痢を起こしやすい。 半消化態栄養剤 半消化態栄養剤としては多少の消化機能を要するが易吸収性で適応範囲は極めて広い。浸透圧が低めで下痢を起こしにくく、味も栄養剤の中では比較的良い。栄養成分の添加もされており欠乏症のリスクは低い。エンシュアリキッド、エンシュアH、ラコール、ハーモニックM、ハーモニックFなどが有名である。腸管安静が必要な病態や消化管機能が高度に障害されている場合は適応はない。術前術後の栄養管理、熱傷、神経因性食欲不振症、意識障害など中枢神経疾患、悪性腫瘍による化学療法や放射線療法の施行時や口腔、咽頭、食道の狭窄や機能障害の時に用いられる。エンシュアリキッドやエンシュアHは高濃度経腸栄養剤と言われ、水分制限が必要な時や異化亢進時に好まれる傾向がある。 消化態栄養剤 消化態栄養剤としてはツインラインが非常に有名である。食品としてはエンテルードなどが知られている。小腸機能まで障害された際によく用いられる。短腸症候群、放射性腸炎、蛋白アレルギー、吸収不良症候群などに適応がある。流動性が高いため細いチューブで投与可能だが、腸管免疫の低下、腸管機能の低下、浸透圧性下痢、味、香りがよくないといった欠点がある。また菌交代症による敗血症も起こる可能性がある。 成分栄養剤 成分栄養剤としてはエレンタール及び小児用のエレンタールPが知られている。脂肪が著しく少ないため必須脂肪酸欠乏症に注意が必要である。それ以外の注意事項は消化体栄養剤とほとんど同内容となるが、更に程度は強い。クローン病、潰瘍性大腸炎、大腸手術の前処置として用いられることがある。 GFO GFOはグルタミン、食物繊維、オリゴ糖の頭文字から命名された。グルタミンが小腸を栄養し、食物繊維とオリゴ糖が大腸を栄養する。GFOの投与によって腸管の免疫能を促進する方法をGFO療法という。 オキシーパ ARDSに対して使用される免疫調節経腸栄養剤である。抗動脈硬化作用、抗炎症作用の知られるEPAなどが含まれている。
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