第一インターナショナルの結成とは? わかりやすく解説

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第一インターナショナルの結成

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 19:33 UTC 版)

カール・マルクス」の記事における「第一インターナショナルの結成」の解説

1857年からの不況、さらにアメリカ南北戦争に伴う綿花危機ヨーロッパ綿花関連企業次々と倒産して失業者増大したことで1860年代には労働運動盛んになった。イギリスでは1860年ロンドン労働評議会英語版)がロンドン創設された。フランスでは1860年代以降ナポレオン3世が「自由帝政フランス語版)」と呼ばれる自由主義化改革を行うようになり、皇帝支持するサン・シモン主義者や労働者団体『パレ・ロワイヤル・グループ(groupe du Palais-Royal)』の結成許可された。プルードン派ブランキ派活動盛んになった。前述したようにドイツでも1863年ラッサール全ドイツ労働者同盟結成したこうした中、労働者国際連帯機運高まった1862年8月5日にはロンドンフリーメーソン会館英語版)でイギリス労働者代表団フランス労働者代表団による初めての労働者国際集会開催された。労働者国際組織作ろうという話になり、1864年9月28日ロンドンセント・マーチン会館英語版)でイギリスフランスドイツイタリアスイスポーランド労働者代表が出席する集会開催されロンドン労働評議会英語版)のジョージ・オッジャー(英語版)を議長とする第一インターナショナル国際労働者協会)の発足決議されるに至ったマルクスはこの集会に「ドイツ労働者代表」として参加するよう要請を受け、共産主義者同盟の頃から友人であるヨハン・ゲオルク・エカリウス(ドイツ語版とともに出席したマルクス総務評議会執行部)と起草委員会規約作るための委員会)の委員選出された。 マルクス早速に起草委員として規約作りとりかかった委員マルクスの他にもいたものの、彼らの多く経験のない素人労働者だったので(労働者の中ではインテリであったが)、長年策略家マルクスにとっては簡単な議事妨害批評だけで左右できる相手だった。マルクスエンゲルスの手紙の中で「難しいことではなかった。相手は『労働者』ばかりだったから」と語っている。イタリア人委員ジュゼッペ・マッツィーニ主張入れようとしたり、イギリス人委員オーエン主義取り入れようとしたりもしたが、いずれもマルクスによって退けられている。唯一マルクス譲歩迫られたのは、前文に「権利・義務」、協会指導原理に「真理道義正義」といった表現加えたことだったが、マルクスエンゲルスの手紙の中でこれらの表現を「何ら害を及ぼせない位置配置した」と語っている。 こうして作成され規約全会一致採択された。後述するイギリス人労働組合主義フランス人プルードン主義ドイツ人ラッサール派などをまとめて取り込むことを視野入れて、かつての『共産党宣言』よりは包括的な規約にしてある(結局ラッサール派は取り込めなかったが)。それでも最後には「労働者政治権力獲得第一義務とし、もって労働者階級解放し階級支配絶滅するという究極目標を自らの手で勝ち取らねばならない。そのために万国プロレタリアよ、団結せよ!」という『共産党宣言』と同じ結び方をしている。 「第一インターナショナル」も参照

※この「第一インターナショナルの結成」の解説は、「カール・マルクス」の解説の一部です。
「第一インターナショナルの結成」を含む「カール・マルクス」の記事については、「カール・マルクス」の概要を参照ください。

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