禁錮5年が確定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 01:34 UTC 版)
「東池袋自動車暴走死傷事故」の記事における「禁錮5年が確定」の解説
判決公判は、2021年9月2日14時から開かれ、東京地裁刑事第17部(下津健司裁判長)は被告人・飯塚幸三に対し、禁錮5年の実刑判決を言い渡した。なお、訴訟費用は被告人の負担とされた。 東京地裁は、「目撃者の『加害車両はブレーキランプが点灯していなかった』という証言は信用できる。車の記録からも、被告人が誤ってアクセルを踏み続けたことが認められる」と認定した上で、弁護人の「暴走は車の不具合によるもの」という主張も、「(仮に不具合によって暴走に至ったとすれば)今回のような暴走は、多種多様な故障が偶然同時に発生しなければありえず、通常は考えがたい」として退けた。その上で、量刑理由について説明し、被害者らには何ら落ち度がなく、死亡した母娘の遺族や、負傷した被害者の処罰感情が峻烈であること、負傷した被害者の中には従前の日常生活を送れなくなった者がいることについても言及した上で、「パニックに陥っていたとはいえ、ブレーキとアクセルの踏み間違いに気づかないまま車を加速させ続けた過失は重大である。被告人は謝罪の言葉を口にしているが、自らの過失を否定する態度に終始しており、深い反省の念は認められない」と指摘した。 一方、被告人にとって有利に考慮すべき事情として、「任意保険により、負傷被害者5人への損害賠償が完了し、それ以外の被害者や遺族にも適正額の損害賠償がなされる見込みがあること」「被告人が高齢で、事故後に運転免許の取り消し処分を受けた点(後述)」を挙げた。また、弁護人が「事故後、被告人は厳しい社会的非難に晒され、脅迫状を届けられたり、自宅付近で街宣活動をされたりなどの苛烈な社会的制裁を加えられ、社会生活上の不利益を被った」と主張した点については、「過度の社会的制裁を受けた点は、被告人が本件によって不利益を被った点として、有利に考慮すべき事情の一つと言えるが、その考慮の程度にも限度があり、厳しい社会的非難を受けること自体はやむを得ない面もある」との判断を示した。その上で、「犯情の重さ(過失や結果の重大さ)からすれば、被告人にとって有利に考慮すべき事情を踏まえても、長期の実刑は免れない」と結論づけた。 判決宣告後、下津裁判長は被告人に対し、「証拠上、過失は明白と判断した。裁判所の認定に納得できるなら、被害者や遺族に対し、自らの責任・過失を認めた上で真摯に謝罪してほしい」と説諭した。被告人・検察官とも、控訴期限(2021年9月16日)までに東京高等裁判所へ控訴しなかったため、判決は17日付で確定。 判決確定後、飯塚は東京地検からの呼び出しを受け、同年10月12日午後には同庁へ出頭し、同日中に東京拘置所へ収監された(刑の執行開始)。同日、飯塚は支援者を通じて「証拠や判決文を読み、暴走は自身によるブレーキとアクセルの踏み違いによるものと理解した」というコメントを出した。
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