灯火の時代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/18 14:22 UTC 版)
アルダの外なる暗闇に追いやられたメルコールは、トゥルカスを憎悪しつつ密かに機会を伺っていた。その間にヴァラールは世界に秩序をもたらし、ヤヴァンナの種子も蒔かれ、メルコールの火も鎮められるか、あるいは原初の山々の下に埋められた。そして世界には光が必要となったため、アウレが二つの巨大な灯火を造り、そしてヴァルダが灯火に明かりを点け、マンウェがこれを清めた。ヴァラールはこの灯火を南北にそれぞれ据え付けた。この灯火が据え付けられた柱は、後の世の如何なる山々も及ばないほどの高さであったという。その灯火の下ヤヴァンナの種子はたちまち芽吹き生い茂り、獣たちも現れ出た。そして中つ国にかつてあった大湖に浮かぶアルマレンの島に彼らの宮居を築き、宴を開き、「アルダの春」と呼ばれる平和な時代を謳歌し始め、如何なる禍も懸念せずにいた。しかしメルコールはこれらのことをすべて把握していた。何故ならば彼が堕落させた数多のマイアールがスパイとして働いていたからである。彼らの長はサウロンであった。やがてトゥルカスが心地よい疲れから眠り込んでしまうと、機会到来と見たメルコールは堕落させた聖霊たちをエアの館から呼び出し、灯火も朧な中つ国の遥か北方に鉄山脈を築き、その山々の地の下深くに穴を掘り、大規模な地下要塞を造り始めた。これこそウトゥムノである。この地よりメルコールの禍と憎悪の瘴気が流れでて、「アルダの春」は台無しとなった。植物は病んで腐り、水は淀み腐敗し、獣達は角や牙ある怪物となり大地を血で染めた。ここに至りヴァラールもようやくメルコールが活動を再開したことを悟り、彼が潜んでいる場所を探し求めたが、メルコールは彼らが準備を整える前に奇襲を仕掛け、アルマレンを照らしていた二つの巨大な灯火を破壊してしまった。このときアルダがこうむった被害は甚大で、陸は砕け海は荒れ狂い、灯火は破壊の炎となって流れ出た。このためヴァラールが最初に構想した世界は決して実現しなくなってしまった。復讐を終えたメルコールは速やかにウトゥムノに撤退し、災害の鎮圧で手一杯のヴァラールには彼を追撃する余裕はなかった。かくして「アルダの春」は終わりを告げた。アルマレンの彼らの宮居は完全に破壊されたため、やむなくヴァラールは中つ国を去り、西方大陸アマンに移り住んだ。そしてメルコールを警戒し、ペローリ山脈即ちアルダで最も高いアマンの山脈を防壁として築いた。とは言え神々は完全に中つ国を見捨てたわけではなく、ウルモの力はメルコールの暗黒の地にあっても絶えざる水の流れの形をとって配慮され、ヤヴァンナ、オロメの二者はアマンから遠く隔たった暗黒の地にも時折訪れた。前者はメルコールのもたらした傷を少しでも癒すため、後者はメルコールの怪物を狩るためであった。メルコールはそんなオロメを恐れ疎んじ、彼の侵入を妨げるため霧ふり山脈を隆起させた。そして鉄山脈の西方、北西の海岸から然程遠くない所にはヴァラールの攻撃に備えて城砦と武器庫を造った。これはアングバンドと名付けられ、副官サウロンをその守りに当たらせた。この暗黒の時代にメルコールによって変節させられた、邪悪なる者達や怪物たちが数多く育ち跋扈するようになり、以後久しく世を悩ますこととなる。そしてこの後長期間に渡り中つ国はメルコールの支配下にあり、彼の暗黒の王国は絶えず中つ国の南方へと拡大していった。
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灯火の時代
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1900 - イルルインとオルマルの二つの灯火が世界を照らすために柱の上に置かれた。 ヴァラールはアルダのかたちを整えた。かれらはそこに住まうためにアルマレンの島を創った。 アルダの春 : まずはじめに森林が育ち、そして動物が目覚めた。 メルコールの間者と秘密の友人(そのかしらはアウレの民の偉大な職人であり後にサウロンと呼ばれた)がヴァラールは労働に疲れきっているとメルコールに知らせた。 3400 - トゥルカスとネッサの結婚。メルコールは追随者と共に秘かにエアから戻って、ウトゥムノを造り始めた。 メルコールはアルダの大地と生き物を崩壊させ始め、気持ちの悪い奇怪な形に変えていった。 ヴァラールはメルコールの帰還に気づき、かれの要塞を探し始めた。 3450 - メルコールとかれの追随者が二つの灯火とアルマレンの島を破壊した。アルダの春の終わり。 ヴァラールは大災害から救えるものを救う間に、メルコールはウトゥムノに退却した。 ヴァラールは、アマンに新しい故郷を確立し、それを防御するためにペローリを隆起させた。 3500 - ヤヴァンナは二つの木を創った。
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灯火の時代
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灯火の時代(ともしびのじだい、Years of the Lamps)は、アルダが作り出された後の最初の時代である。この時代の出来事は『シルマリルの物語』所収の「ヴァラクウェンタ」「クウェンタ・シルマリルリオン」で語られている。 この時代は、エルフや人間たちはまだ存在せず、アイヌアのヴァラールとマイアールのみがこの世界にいた。ヴァラールがアルダの地を照らすために2つの灯火、イルルインとオルマルを立てたことから灯火の時代と呼ばれる。この時代は世界の創世紀であり、ヴァラールはアルマレンの地に王国を築き、各地に植物を植え、生き物たちを作り出した。地上は「アルダの春」と呼ばれる繁栄を迎え、トゥルカスは祝福のうちにネッサと婚姻した。 だが北方ではメルコールが邪悪な生物や巨大な山脈などを作り出し、要塞ウトゥムノに籠もって力を蓄えていた。満を持して打って出たメルコールによって二つの灯台とアルマレンの宮殿が破壊されるとヴァラールは中つ国を去り、西方のアマンの地にヴァリノールを建国し、灯火の時代は終焉を迎える。 灯火の時代は約1万年続いたと言われている。
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