温交会と共楽館とは? わかりやすく解説

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温交会と共楽館

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/10 02:56 UTC 版)

共楽館」の記事における「温交会と共楽館」の解説

共楽館完成当初日立鉱山鉱山事務所運営行っていた。前述した1918年大正7年)の吉岡鉱山視察団記録によれば共楽館収支計算入れつつ入場料決めていたという。おおむね活動写真浪花節といった興行利益出し一流俳優を呼ぶ時には赤字出しトータルで損出を出さないようにしていた。後の共楽館運営形態から判断すると、この場合の損出を出さないというのは、俳優を呼ぶ費用など実費回収するという意味合いであり、共楽館スタッフ人件費建物維持管理費用収支から除かれていると考えられる入場料15銭から50銭の間に設定され場内禁酒であり、出し物殺伐とした内容のものは避けていた。入場料は他の劇場などよりもかなり安い設定であり、夏祭りである山神祭や正月興行など無料であった。そのため鉱山労働者たちは山神祭や正月興行の際は、親戚呼び寄せて一緒に楽しむことも多かった。また教化精神修養目的として行われた講演活動キャンペーンな行事は当然無料であった。 ところで共楽館出来た頃、日立鉱山でも労働運動活発化していた。1912年大正元年8月発足した友愛会勢力日立鉱山にも浸透し共楽館完成した翌年1918年大正7年)になると友愛会日立支部活動活発化し、多く日立鉱山鉱山労働者たちが加入するようになった。そして第一次世界大戦終了後不況下で、失業生活苦への不安から労働者側と経営側との対立激化する中、1919年大正8年11月14日発生した日立製作所日立工場火災きっかけに、日立製作所日立鉱山当局幹部中心に友愛会員の解雇通告した。この事態友愛会本部動き12月1、2日に日立鈴木文治麻生久片山哲らを派遣し解雇反対演説会開催する12月2日夜、友愛会員と警官隊との衝突発生し多く友愛会員が検挙される友愛会事件発生した友愛会事件後、日立鉱山内の友愛会組織壊滅する。しかし友愛会勢力伸張見た日立鉱山当局は、労使間の意思疎通を図る機関創設し、そこに鉱山労働者たちを所属させるという労働運動対策実施することにした。折りしも足尾銅山小坂鉱山などでも同様の組織立ち上げられていた。日立鉱山では1920年大正9年2月に温交会設立された。温交会鉱山労働者たちと鉱山当局との意思疎通相互共済、そして知徳涵養目的として設立され団体とされ、基本いわゆる労使協調機関であるが、久原房之助唱えた理念である「一山一家」をより強力に押し進める役割を担うことになった。 温交会運営は、鉱山当局鉱山労働者の中から選出され評議員による評議員会運営決定権持っていた。温交会には共済部福祉部そして娯楽部設けられ第1回評議員会共楽館日立鉱山鉱山事務所ではなく、温交会運営する方式にしてはどうかとの意見出され実際、温交会運営することになった。しかし温交会共楽館運営ではこれまで大幅に上回る欠損出してしまい、1921年大正10年2月第2回交会評議会で再び日立鉱山鉱山事務所運営戻された。それでも興行内容選択入場料決定に温交会関与し催し物開催時は温交会評議員場内整理を行うことや、職場職員家族参加する素人演芸会の開催に向けて努力し鉱山事務所協力していくことが決められた。このとき提案され素人演芸会は、温交会自主企画素人演芸会として定着し職場挙げて極めて多彩な内容盛大に行われたこのように交会共楽館運営深く関与していくことになった

※この「温交会と共楽館」の解説は、「共楽館」の解説の一部です。
「温交会と共楽館」を含む「共楽館」の記事については、「共楽館」の概要を参照ください。

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