構成と音楽性
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本作でも、「別れや喪失感のようなものを根底に据えて、夏の雰囲気と一緒にアウトプットしている」という"ヨルシカの根底にある芯のようなもの"は以前と変わらず残されている。アルバムは、前半に「低温が響くような、少し重たいもの、ロック調の曲」がおかれており、n-bunaは「前半は勢いで書かれている曲たちが、後半になるにつれて理性的なものが見える」「最終的には男の中の本当に書きたかったものだけが残る」という構成にしたかったと語り、そういう意味で「花人局」が転換点にあるという。ベートーヴェンの「月光」が引用された1曲目の「音楽泥棒の自白」は、"男"が自分の人生を訥々と語っている様を表している。同曲はコラージュ的に様々な音が当てはめられており、この曲と、グリーグの「朝」が引用された「青年期、空き巣」の2曲は永戸のアートワークから着想を得て作られている。空き巣の隠語がタイトルにつけられた「昼鳶」はアコースティックギターでスラップ奏法が用いられている。またn-bunaもこの曲におけるボーカル・suisの低音を絶賛しており、後の「思想犯」と同曲について「男性的にも聴こえる、ゾッとするような、つぶやきの感じが出せるメロディが書けた」と語っている。続く「春ひさぎ」では、スウィング・ジャズ的な曲調をロックンロールの中で解釈し、商売音楽を売春というメタファーに置き換えた詩で表現している。アルバム前半の重めの曲調は、「我々はみんな偽物なんだ」ということが歌われた「レプリカント」から、軽快になっていく。「美人局」からの造語で、盗作家の"男"にとっての妻が描かれた「花人局」は、前述の通りアルバムにおいて転換点にあたる曲で、「愛おしいものを表現する曲調」となっている。その後、エリック・サティの「ジムノペディ」のメロディが引用されたインスト曲の「朱夏期、音楽泥棒」、アルバム全体のテーマを表わした表題曲「盗作」、n-bunaが特別に気に入っているという「思想犯」と続く。「思想犯」のテーマ自体はジョージ・オーウェルの小説「1984」が元になっており、また歌詞では尾崎放哉の俳句からもオマージュがなされている。「現実から脱獄する」というのが根底のテーマである「逃亡」は、ジャズ的な曲調にサンプリングの手法で作られており、これも永戸の作品の手法に着想を得ているという。続くインスト曲「幼年期、思い出の中」は夕暮れの情景を表現している。その後「夜行」を経て夏の空気感をモチーフにした「花に亡霊」がアルバムのラストを飾る。ここまでアルバムは昼から夕方を経て夜へ向かっていくというイメージで構成されており、「花に亡霊」も"夜"がイメージだという。n-bunaは、アルバムを聴き終わった後の余韻に関して「最後に夏の匂いがして終わる作品にしたかった」と語っている。
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構成と音楽性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 04:49 UTC 版)
本作は、ミニマルなアンサンブルを支柱として全編を100BPMでほぼシームレスに繋いだ構成となっており、「クラブにおける忘我のリズム、ダンスによって得られる自由の感覚」がロックとして表現されている。
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