構成の失敗
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/01 03:02 UTC 版)
ほとんどの映画は構成に何らかの問題を抱えている。三幕構成のモデルは構成の失敗を理解するためにも有用である。三幕構成の基本を大きく外した作品は、観客の関心を保つことが困難である。リンダ・シーガーは、構成の失敗のパターンを以下のように挙げている。 セットアップが長すぎる インサイティング・インシデントに至るまでの時間が遅くなるため、ストーリーが始動するまで観客は退屈することになる。『蜘蛛女のキス』('85) など。 第一幕が長すぎる 最初のターニングポイントまでの大きな変化のない時間が長引き、一方で第二幕の対立、衝突はすぐに終わるため、緊迫感が弱まり、観客は映画への関心を失う。『レナードの朝』('90) など。 第二幕が長すぎる 第三幕が短くなりすぎ、クライマックスを盛り上げるための時間が足りなくなる (ただし短い第三幕が1990年代後半以降の主流である)。 第二幕が短すぎる それに続く第三幕が緊張感のないものになる。 クライマックスの後が長すぎる クライマックスを過ぎても映画が長い間終わらないため、何がエンディングであるのかが観客には分からなくなる。『インドへの道』('84)、『カラー・パープル』('85) など。
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