東日本大震災の影響と系統分離
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 01:02 UTC 版)
「ひたち (列車)」の記事における「東日本大震災の影響と系統分離」の解説
2010年12月6日のJR東日本プレスリリースにて、2012年春の新型車両導入に伴う常磐線特急列車の再編が明らかとなった。 計画では、特急の運行区間を上野駅 - いわき駅間と、いわき駅 - 仙台駅間に分割し、前者に新型のE657系を充当、後者にはE653系を充当し、651系についてはいわき以南で使用し2012年秋までにE657系に順次置き換え、というものであった。 いわき駅 - 仙台駅間で運行される特急の名称については、2011年2月にJR東日本水戸支社で募集を行い、同年4月上旬以降に発表される予定であった。これに対し相双地域の住民からは「東京が遠くなる」として直通列車の運行継続を求める声もあった。 しかし、2011年3月に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)および東京電力・福島第一原子力発電所事故による影響により、常磐線は広範囲での運転見合わせを余儀なくされ、その後運転が徐々に再開されるも、「スーパーひたち」の運行は上野駅 - いわき駅間に限られることになった。 震災後、2012年3月17日のダイヤ改正では、当時(上野駅 - いわき駅運行)のダイヤ全体の4割をE657系に置き換えた。しかし、計画と異なりE653系も引き続き「フレッシュひたち」で使用されることになった。また、E657系の導入完了時期も、「2012年秋」から「2012年度中」に変更となった。改正後は以下のような運用となった。 「スーパーひたち」 - E657系:20本、651系:10本 「フレッシュひたち」 - E657系:9本、E653系:30本、651系:2本 このダイヤ改正により、東日本大震災以降「当面の間運休」とされていたいわき駅 - 仙台駅間は「スーパーひたち」の運行区間から正式に外れ、「スーパーひたち」は全列車が上野駅 - いわき駅間の運転となった。このため、いわき発仙台行きの「スーパーひたち1号」の運行は打ち切りとなり、下り列車は「1号」を欠番として「スーパーひたち3号」からはじまることになる。 2012年度末となる2013年3月16日のダイヤ改正で「スーパーひたち」「フレッシュひたち」は全列車がE657系での運行に統一された(ただし2013年10月1日に651系が復活したため、未統一に戻る)。なお、運行体系については計3本の増発や停車駅見直しは行われるものの、ほぼ2012年のダイヤ改正当時と変更はなされなかった。列車名も「スーパーひたち」「フレッシュひたち」のまま変更はなく、「1号」の欠番もそのままである。 その後、2015年3月14日のダイヤ改正で「スーパーひたち」を「ひたち」、「フレッシュひたち」を「ときわ」に改称するとともに、列車名の号数も「ひたち」を1号から、「ときわ」を51号からと変更したものの、運行形態自体には大きな変化はない。 2019年7月5日、JR東日本は不通となっていた富岡駅から浪江駅間が2019年度末までに復旧し、常磐線全線で運転再開することに合わせてE657系を増備し、東京都区内と仙台駅間を常磐線経由で直通する特急列車を運行する計画であることが公表された。 なお、E653系については、2013年秋から基本編成が新潟駅 - 酒田駅・秋田駅間の特急「いなほ」に、付属編成については、2015年3月14日の北陸新幹線延伸開業に伴い新潟駅 - 上越妙高駅間に新設される特急「しらゆき」に全編成が転用されたため、常磐線内での同系列の転属計画は事実上の中止となった。E653系は2018年10月に勝田車両センターに1編成が転入したものの、波動用として使用されている。 651系については、2013年10月から2015年3月まで、「フレッシュひたち」61号・4号の運用に入ったが、大半の車両が大宮総合車両センターに転属し、高崎線特急「草津」・「あかぎ」・「スワローあかぎ」に転用され、残った編成に関しても、常磐線いわき駅 - 富岡駅間の普通列車や臨時列車を中心に運用されたが、2019年までに0番台基本編成は前述のE653系転属に伴い全廃され、付属編成についても、常磐線全線復旧に伴い2020年3月13日をもって定期運用から離脱した。大宮総合車両センターに転属した編成についても、付属編成は2015年3月をもって定期運用から離脱し、うち1本は国府津車両センターに転属の上、2016年7月16日から観光列車「伊豆クレイル」として運用を開始した。なお、当該列車は2020年(令和2年)6月28日を最後に運転を終了することがJR東日本より発表されたものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響により運転が中止されたため、3月29日が事実上の最終運転となった。
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