未成車両
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 09:25 UTC 版)
1990年代に民営企業となったČKDタトラでは、従来のタトラカーに代わる標準型車両として複数の超低床電車モデルの設計を行っていた。こららの車両は纏めて"Lシリーズ"と呼ばれ、運転台や電気機器、内装など主要箇所がモジュール構造を採用する事で統一されており、動力台車は床上高さが高くなる一方で車輪や線路の摩耗を抑えメンテナンス面でも有利な回転軸・車軸付きの従来型のボギー台車が使用される事になっていた。だが、2000年にČKDタトラが倒産した結果、全形式とも計画のみに終わった。 LT24V - 連接車(K2、KT4)やボギー車(T3、T6等)の置き換えを想定した形式。KT4の構造を基にした、1車体1台車方式の2車体連接車で、動力台車がある車体中央部を除いた車内全体の55%が低床構造となる予定であった。中央部の乗降扉付近には車椅子が設置できる空間があり、3人分の折り畳み座席が設置される構想だった。また多客時の連結運転を想定し、総括制御にも対応出来る設計となっていた。 LT36 - 利用客が多い路線での単独運転を想定した片運転台式3車体連接車。RT6を基にした構造で中央の車体長が短い車体には車軸がない付随台車が設置されており、前方・後方の動力台車が設置されている箇所を除いた車内全体の67%が低床構造となる計画だった。 LT38V - ボギー車(T3、T6等)の連結運転の置き換えを想定した片運転台式3車体連接車。前後車体はLT36と共通構造である一方、中間車体はLT36よりも長く、大量輸送に対応した設計となっていた。台車は全て車軸付きの動力台車(モノモーター方式)で、乗降扉付近を始めとした車内全体の低床率は50%を予定していた。 ČKD Lシリーズ 主要諸元表形式LT24V LT36 LT38V 車種2車体連接車 3車体連接車 運転台片運転台 軌間1,435mm 軸配置B'oB'o B'o2B'o B'oB'oB'oB'o 全長19,000mm 27,100mm 32,815mm 車体長9,511mm 11,255mm(前後車体)4,590mm(中間車体) 11,255mm(前後車体)10,305mm(中間車体) 全幅2,480mm 全高3,500mm 車体高3,210mm 床面高さ高床部分600mm 低床部分360mm 低床率55% 67% 50% 軸距1,900mm 1,900mm(動力台車)1,800mm(付随台車) 1,900mm 台車中心間距離9,436mm 9,685mm 9,975mm5,135mm 最高速度70km/h 最大加速度1.8m/s2 空車重量24.1t 34.1t 43.46t 着席定員46人 70人 84人 折り畳み座席3人分 6人分 定員(乗客密度5人/m2)134人 195人 255人 最大定員(乗客密度8人/m2)188人 270人 358人 対応電圧(架空電車線方式)直流600V/750V 出力45kw×4基 125kw×4基 78kw×4基 備考^ 前後車体-中間車体間の台車間距離。 ^ 中間車体の台車間距離。
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