日本特産品種
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 00:19 UTC 版)
勘次郎胡瓜(かんじろうきゅうり) 山形県最上郡真室川町の真室川の伝承野菜のひとつ。明治初期頃、真室川町の谷地の沢地区の姉崎勘次郎家に隣の鮭川村から来た嫁が携えてきたのが始まりで、姉崎家によって現代まで細々と守られてきた。全国的にも珍しい黒イボ系の胡瓜で、本来の黒イボ系のような特徴は少なく、果肉は柔らかく、キュウリ特有の青臭さやえぐみなどがほとんど無いため、フルーツ感覚で食べることが出来る。町の洋菓子店「平和堂」では、スイーツとして活用されているほか、勘次郎胡瓜のコンポートなどが発売されている。 馬込半白胡瓜(まごめはんじろきゅうり) 東京都大田区の伝統野菜。華北系の白イボ系キュウリのひとつで、明治時代に節成胡瓜を改良した品種で、長めの実でしわが寄っているのが特徴。色は大部分が白っぽく、元の一部のみが緑色である。皮はやわらかくて、果肉は固めで歯ごたえがよい。傷みやすく流通に向かないため、現在はほとんど栽培されていない。 相模半白胡瓜(さがみはんじろきゅうり) 黒イボ系キュウリのひとつで、皮がかたく、首の方は緑色が濃くて先端の方が白っぽい半白系。昭和初期に馬込半白胡瓜が神奈川県二宮町において改良された品種で、馬込半白胡瓜よりも日持ちがよい。節成り性が強く、支柱栽培に適しており、気温が低い時期に雌花がつきやすいので早生栽培に適している。現在はほとんど栽培されていない。 高井戸節成胡瓜(たかいどふしなりきゅうり) 東京都杉並区の伝統野菜。馬込半白胡瓜と練馬の枝成胡瓜の交配から生まれた固定種。現在はほとんど栽培されていない。 落合節成胡瓜(おちあいふしなりきゅうり) 埼玉県の伝統野菜。大正時代に与野町下落合において青節成胡瓜と地域の在来種針ヶ谷胡瓜の交配から生まれた品種で、強健で低温に強い。現在ではほとんど栽培されていないが、交配親としても使われ、現行品種の多くがこの品種の血を引いている。 加賀太胡瓜(かがふときゅうり) 石川県の伝統野菜(加賀野菜)。果実は長さ20 - 25 cm、直径6 - 7 cmと大型で、重さが1 kgを超えるものも珍しくない。皮は固いが果肉は軟らかく、他の品種よりもビタミンB2を多く含む。基本は皮をむいて使用し、炒め物、煮物料理に向いている。 聖護院胡瓜(しょうごいんきゅうり) 江戸時代から伝わる京都市の伝統野菜。実は濃緑色で三角形の断面となるのが特徴で、明治時代には左京区聖護院を中心に栽培されていた。 毛馬胡瓜(けまきゅうり) 大阪府の特産種で、長さ30 cm以上、太さ3 cmほどの長い実ができる。半白系の黒イボ系キュウリで、元は緑で先の3分の2ほどは白っぽくなる。歯ごたえがよいのが特徴。江戸時代の摂津国毛馬村(現・大阪市都島区毛馬町)が発祥の地とされる。「浪華漬」と呼ばれる粕漬けの原料として周辺地域でも栽培されるようになったが、収率が悪いため廃れ、現在は、南河内郡河南町を中心に伝統野菜(なにわ野菜)として栽培されているにとどまる。 大和三尺胡瓜(やまとさんじゃくきゅうり) 奈良県特産の品種で、実は長さ30 - 40 cm、最大で90 cm程にもなるので、この名がある。鮮やかな緑色で皮がやわらかく、果肉は緻密で、奈良漬けにも加工される。 佐久古太きゅうり(さくこだいきゅうり) 長野県佐久市志賀地区・春日地区において、少なくとも昭和20年代から栽培されている品種(信州の伝統野菜)。果実はずんぐりむっくりとした形をしており、長さは13センチメートル程度。熟すにつれ白から茶褐色に変色することから、シベリア系の品種と推定されている。 モーウィ(毛瓜) 沖縄で栽培されている黒イボ系キュウリで、太くてイボがなく、果実の皮が淡褐色になる品種。果実の長さは30 cmで、重さは500グラムほどになる。果肉は白くて青臭さはなく、味は淡泊で、サラダ・漬物・酢の物で食される。沖縄料理で有名なのは豚肉と一緒に煮込むモーウィウブサーに使われる。
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