日本国外への輸出
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 15:45 UTC 版)
近年、日本ではビールやウイスキーも含めたアルコール飲料全般の消費量が減少しており、日本酒もその例に漏れない。 一方、日本国外では21世紀に入ってから日本酒の人気が拡大しており、日本酒は日本語の「酒」にちなみ「sake(サケ、英語読みはサキィ)」と呼ぶ。(参照:「日本酒の歴史」- 昭和時代以降)。アメリカ合衆国やフランスの市場では日本酒、特に吟醸酒の消費が拡大し、イギリスでも2007年から国際ワインコンテストに日本酒部門が設置された。アジア圏においても日本酒の消費量が以前に比べて拡大し、2015年にはとりわけ和食が普及するソウル、香港、台北、シンガポールにおいて高い値を示す。タイ王国では日本酒の需要の急増で日本の蔵元が挙って市場に参入し、競争が激化した。また訪日外国人観光客による、高級な日本酒のまとめ買いも増えている。 日本酒の輸出量の推移は、2001年は7052キロリットル、2008年は1万2151キロリットル、2012年は1万4131キロリットル、2018年は2万5747キロリットルと、約10年で約2倍に増加する傾向が続いている。 日本酒の輸出額は、2013年に初めて100億円を超えた。2020年の日本酒輸出額は241億円で、酒類輸出総額710億円の34%を占めたが、輸出額が急増するジャパニーズ・ウイスキー(271億円、38.2%)に20年ぶりに抜かれて、酒類における最多輸出額品目の地位から陥落した。 2021年の日本酒の輸出額は前年比66.4%増の402億円、酒類輸出総額1,147億円の35%を占めた。輸出上位5か国(地域)は、中国103億円、アメリカ96億円、香港93億円、シンガポール18億円、台湾17億円であった。 このように日本酒の輸出は好調に推移しているが、フランスのワイン輸出額は1兆181億円(2016年)、英国北部スコットランドのスコッチ輸出額は6,500億円(2017年)と、日本酒輸出額の14倍から26倍の差がある。 なお、酒に関する規制や税制は各国で異なる。例えば、アメリカ合衆国ではアルコール添加を行った日本酒は、税制上蒸留酒と同一の区分となり、純米酒より酒税が大幅に高くなるため、アメリカ合衆国へ輸出される日本酒の多くが純米酒となっている。 高価格帯の輸出を後押しするため輸出専用の免許が設定されている。
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