日本のニホンジカ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 00:08 UTC 版)
日本国内に棲息するニホンジカはエゾシカ、ホンシュウジカ、キュウシュウジカ、マゲシカ、ヤクシカ、ケラマジカ、ツシマジカの7つの地域亜種に分類され、北の方のものほど体が大きい(ベルクマンの法則参照)。南西諸島の3亜種は特に小型であり、オスの体重で比較するとエゾジカの140kgに対してマゲジカとヤクシカで40kg、ケラマジカでは30kgである。 エゾシカ(エゾジカ)(亜種) C.n.yesoensis 【北海道/日本固有亜種】 ホンシュウジカ(亜種) C.n.centralis 【本州/日本固有亜種】 奈良(奈良県奈良市一円)のシカは天然記念物。分子遺伝学的に異なる南北二つのグループが中国地方でオーバーラップしていることが近年明らかになった。 キュウシュウジカ(亜種) C.n.nippon 【四国、九州/日本固有亜種】 江戸時代にヨーロッパで分類に使用された亜種であるため、亜種名が「nippon」(基亜種)になっている。 ツシマジカ(亜種) C.n.pulchellus 【対馬/日本固有亜種】 独立種とする説もあったが、分子遺伝学的にホンシュウジカ(中国地方産)に極めて近いことがわかり、近年は亜種としない記述も多い。 マゲシカ(マゲジカ、マゲシマジカ)(亜種) C.n.mageshimae 【馬毛島、阿久根大島・臥蛇島(移入)/日本固有亜種】 馬毛島(まげしま)は、種子島の沖に位置する小島。10世紀の生息(狩猟)記録があり、少なくとも1000年以上にわたり小島で維持されてきたと考えられる。島全体を私企業が所有し、唯一全く保護策が講じられていないニホンジカ亜種であり、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}現在、島全体の大規模開発が進められている。[いつから?] ヤクシカ(ヤクジカ)(亜種) C.n.yakushimae 【屋久島/日本固有亜種】 屋久島に12,000 - 16,000頭ほどがいると推定されている。オス成獣の角が4本に枝分かれするキュウシュウジカに対して、ヤクシカは3本が普通である。起源は不明だが、有史以前から自然分布していたと考えられている。近年急激に増加し、世界遺産の島での管理のあり方が問われている。 ケラマジカ(亜種) C.n.keramae 【慶良間諸島/日本固有亜種】 日本哺乳類学会のレッドリスト(1997年(平成9年))では危急亜種だが、環境省のレッドリストには記載されていない。ケラマジカおよびその生息地は天然記念物。江戸時代の移入個体の末裔であることが古文書などから明らかとなり、その保全のあり方が注目される。 これらのほかにタイワンジカ(C.n.taiouanus)が日本でも観光用に移入され、和歌山県の友ヶ島などで野生化。本土に渡って在来亜種と交雑することが危惧されている。 瀬戸内海の 島々にはかつてはその多くにシカが棲んでいたと考えられるが、現在では淡路島、鹿久居島、小豆島、因島、生口島、宮島の6島のみであり、鹿久居島、因島などでは絶滅寸前とも言われる。大三島のシカはミカン栽培のために山が切り開かれた際に絶滅し、1964年(昭和39年)を最後の記録とする。
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