日本のナメクジ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/06 04:49 UTC 版)
人家周辺でよく見られるものはナメクジ(ナメクジ科)やチャコウラナメクジ(コウラナメクジ科)などである。後者はおよそ1970年代以降に見られるようになったヨーロッパ原産(恐らくはイベリア半島とされる)の外来種で、人家周辺のほか農地や空き地など、人為的影響の強い場所に生息し、農作物や園芸植物に被害を与えるため、防除対象である。 それ以前には、やはり外来種でコウラナメクジ科のキイロナメクジ(キイロコウラナメクジ)が人家周辺には多く、「コウラナメクジ」といえば、こちらの種を指すのが普通だった。住宅地などでチャコウラナメクジよりも巨大な姿で活動しているのを普通に見かけたものだが、それよりも小型のチャコウラナメクジの勢力の伸張と共に衰退し、今では見かけることは少なくなっている。 山野にはヤマナメクジという大型種がおり、体長は10cm以上にもなる。体は分厚く、触角は短い。沖縄の山地には、別種ヤンバルヤマナメクジもいる。ヒラコウラベッコウガイは沖縄地方に見られる外来種で、退化しかけた薄く小さな殻があり、カタツムリとナメクジの中間的な形態を示す。 やはり、沖縄県および熱帯地方に広く分布し、しばしば害虫とされるものにアシヒダナメクジがある。これは形はあまりナメクジらしくなく、平べったい楕円形で、表面は細かいつぶつぶになって、あまり粘液を出さない。裏返すと体の下面に、体の幅より狭い脚がはっきりと区別でき、その前の端に口や触角がある。これは他のナメクジ類とは近縁ではなく、イソアワモチに近縁のものである。
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