新春放談
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「山下達郎のサンデー・ソングブック」の記事における「新春放談」の解説
毎年1月の第1・2週、大瀧詠一をゲストに迎えて行なわれる対談で、タイトルはTBS「時事放談」からの拝借。共通の話題である1950〜60年代の英米日の音楽、映画、落語、相撲、そして無類の長嶋ファンである大瀧ならではの野球に関する話やマイ・ブームに関する話が展開された。この番組での第1回は『サタソン』時代の1993年1月2日(第14回放送)である。元々、大瀧とのセッションや対談はこの番組がスタートではなく、1981年8月にNHK-FMの夏休み特別番組として放送された『サウンド・オブ・ポップス』最終日に行われたライブセッションである。 その後1984年1月12日、同局で放送された『サウンドストリート(サンスト)』(山下は1983年4月から1986年3月まで、毎週木曜日担当)で初めて「新春放談」のタイトルで対談が放送され、以後山下の出演番組での正月恒例企画として定着、山下の番組降板後も佐野元春の『サンスト』(1987年)や音楽評論家・萩原健太のラジオ番組『ミュージック・シティ』(NHK-FM、1988年-90年)、山下が月2回パーソナリティを務めた『プレミア3』(TOKYO FM、1990年-92年)で継続された。こうした経緯から、1994年にはこの番組での2年目にも関わらず「新春放談10周年」とサブタイトルが付けられている。ただ、特別な企画がある訳ではなく、内容は一切変わっていない。 一般リスナーは基本的に大瀧の前年の動向を知ったり、声を聞くことが出来るのはこのコーナーのみで、山下本人ですら大瀧の活動を完全に把握しているわけではなく、「最近はどうしているのか」という質問からスタートしていた。このプログラムでかけられる音源は、大瀧自身の持ち込みである場合も少なくない(洋楽以外に、大瀧自身の曲や提供曲、プロデュース作品のバージョン違いなどで、時には「未発表音源」という場合もある)。 2011年12月18日の放送で2012年は「諸事情により行わない」ことが発表され、この企画は26年で休止することになった。その後、山下のオフィシャル・サイトの2012年12月23日の更新で、新春放談の終了が発表された。その理由として「時代的な役割を全うし得たと思えますので」としており、放送20周年、自身の60歳という節目で、本来の純粋な「音楽番組」として、今後も長く番組を継続するために、番組構成をスリム化・整理する意味合いであることを明らかにしており、2013年1月6日放送では「震災を経て、思うところもあった」と、心境の変化があった事も語っている。一方で、「大瀧詠一さんと不仲とか、そういう理由ではありません。念のため」と不仲説を否定し、「大瀧さんにはまた違う形でご登場願う予定でおります」と再登場も示唆していたが、2013年12月30日に大瀧が急死したため、2011年1月2日・9日放送が、最後の登場となった。2012年度からは「新春放談」が終了したため、この年から正月の数回の放送も「新春リクエスト大会」になることが多い。 2014年1月5日放送の冒頭、山下による大瀧急死に関するアナウンスが挿入されたが、当日と1月12日放送の『新春リクエスト大会』は事前収録であるため、番組内でこの話題に触れていないこと、追悼特集については後日放送することが説明された。その後、番組宛のハガキで『大瀧詠一追悼特集』に対する要望が寄せられ、それに応える形で、1月26日放送の『極私的・青山純追悼 後編』の終わりに、自身の考えを話している。 2014年3月2日放送『ひなまつり、ガールシンガー・ガールグループ特集』では、毎年3月恒例のテーマ特集としてスタートしながら、番組後半には大瀧が好きだったガール・シンガー、ガール・グループを集めた“EACH'S FAVORITES SPECIAL”だったことを明かした。これは、音源を揃えていくうちに以前、大瀧と話していた内容を思い出し、「それでは大瀧のお気に入りでまとめてみよう」と思い立った事から企画・構成した内容で、直接的・形式的な追悼特集ではなく、こうした形で洒落を交えて「実は…」という展開こそ大瀧の喜びそうな内容であり、山下は番組の最後、「『よくやった』と褒めてくれております。確信しております」と結んでいる。また、11月30日の放送では、ベスト・アルバム『Best Always』発売を記念して、収録曲にまつわる思い出やレコーディングでのエピソードが披露された。 2020年からは、新たなゲストに宮治淳一を迎えて「新春放談」が9年ぶりに再開された。山下と宮治は長年の友人で、2019年7月に山下が急性気管支炎により出演できなかった時に1度代打出演したことをきっかけに、山下の復帰後、「ワーナー・ポップロック・ナゲッツ」の紹介でさらに2週、対談形式で出演。あくる2020年から、大滝の引退後9年ぶりに再開された新春放談に招かれるようになった。
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