提案段階の計画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/19 02:01 UTC 版)
「都市間高速鉄道計画」の記事における「提案段階の計画」の解説
2000年代中ごろ、CTRLの高速化を担う高速鉄道用車両395形の正式受注を目指していた日立製作所は、都市間高速鉄道計画においても正式受注を目指しイギリス政府に働きかけていた。日立は、英大手ゼネコンのJohn Laing社、投資会社Barclays Private Equityと共に特別目的会社であるアジリティ・トレインズを設立して応札を目指していた。 当初は新造予定の高速鉄道車両名を「日立スーパーエクスプレス」と呼称していた。アジリティ・トレインズは、車両の最高速度は201km/hで、小改良で最高速度を225km/hに向上出来ると述べていた。保安装置にはヨーロッパの標準で高速化に対応する車内信号方式のERTMSが搭載されるとされた。また、スーパーエクスプレスは5両から10両の編成単位で多様な車種が納入されるとされていた。交流25kV50Hz対応の架空電車線方式の電車編成、ハイブリッド気動車編成、電気・ディーゼル両用車両(バイモード車)編成などが計画された。アジリティ・トレインズでは、以下の5形式を計画にあげていた。 タイプ1 気動車10両編成2種類タイプ1A - インターシティ(都市間輸送用) タイプ1B - インターアーバン(近郊形車両) タイプ2 - 都市間輸送用電気・ディーゼル両用車両 タイプ3 - 通勤輸送用電車 5両編成 タイプ4 - 通勤輸送用電気・ディーゼル両用車 5両編成 タイプ5 - 都市間輸送用電車 10両編成 電気・ディーゼル両用編成では、両端の制御車が電力供給の役割を担っている。そのうち片方が架空電車線方式に対応し、集電装置、変圧器、整流器を搭載し、客室も備える。もう一方のハイブリッド方式の気動車には、ディーゼルエンジン、交流ブラシレス発電機、二次電池が搭載されているが、装備品の大きさと騒音源に近いため、客室は持たず、外観は機関車に近い(欧州の高速車両によく見られるスタイル)。これらの先頭車(制御車)は付随車で、中間車に編成全体の車軸の50%(MT比1:1)にあたる動力台車を装備し、電力は引通線(ひきとおしせん)経由で供給される。 ハイブリッドシステムは、インターシティ125の編成で使用されている43形ディーゼル機関車(英語版)とマーク3客車で試用されたものと類似の方式となる。 車両1両あたりの全長は26.0m(気動車の動力車のみ21.0m)、全幅は2.7mで、イギリスの車両限界に沿った寸法となっている。 5両編成の車両はロンドンからのECMLやGWMLの路線の通勤輸送用での運用が計画されているが、オプションとしてウェスト・コースト本線の南区間でも使用されるとされた。他ではキングス・クロス駅からキングズ・リンやケンブリッジ方面への路線で、タイプ3の使用が予定されていた。他の通勤輸送用の区間として、パディントン駅からのテムズバレー方面が予定されていた。10両編成の投入が最初に予定されているのはECMLで、2013年からインターシティ125を置き換える他、エディンバラ方面へ向かうインターシティ225も置き換え対象とされた。
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