都市間輸送
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/18 08:53 UTC 版)
特急形車両にもJR各社がそれぞれの路線にあった特急形電車・気動車を開発しているが、国鉄381系電車で実用化された自然振り子式を改良した各種の車体傾斜システムを導入した形式が各地に登場し、運転時間の短縮に貢献する事となった。 きっかけは1989年に四国旅客鉄道(JR四国)が投入した、営業用として世界初の制御付き自然振り子式の2000系気動車であった。381系は自然振り子式であったため乗客が酔いやすいなどの問題点があったが、2000系気動車では車体の傾斜を強制的に行う制御装置を追加することで解決を図った。 この成功を受けてJR各社は制御付き自然振り子式電車を開発し、曲線が多く速度向上が困難だった幹線区間に投入した。まず1992年にJR四国が8000系電車を投入した。その後も、JR東日本E351系電車(1993年)、JR東海383系電車(1995年)、JR九州883系電車(1995年)、JR西日本283系電車(1996年)、JR九州885系電車(2000年)と、JR北海道を除く各JR旅客会社がこの方式の電車を開発・運用している。JR東海の383系は同社の381系電車を全て置き換えたが、JR東日本のE351系およびJR西日本の283系は従来車両全てを置き換えずに製造を終え、新造投入された非車体傾斜車両とともに運用されている。 空気ばねの伸縮を利用した強制車体傾斜式は、自然振り子式よりシンプルな機構で製造・保守も容易なため、新幹線電車では2007年に使用を開始したN700系をはじめE5系・E6系で、また私鉄では名古屋鉄道(2000系電車など)・小田急(50000形電車)の有料特急用形式で、それぞれ導入されている。
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