提唱されている説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/25 03:31 UTC 版)
「セイリッシュ海における人間の足の発見」の記事における「提唱されている説」の解説
一連の発見は、足以外の遺体がみつかっていないことを考えると、「驚嘆すべき」「説明不能に近い」事件といわれてきた。これまで考えられてきた説明は、ボートの水難事故や飛行機の海への墜落などによる死者の足であるというものである。一説には、その墜落とは2005年のクアドラ島(英語版)近海でおこった事故で、発見されてきたのはこのときに亡くなった男性4人の足である。とはいえ彼らの遺体は見つかってこそいないものの、セイリッシュ海岸で発見された足には女性のものもあることが裏付けられている。犯罪性を指摘する声もあるが、最初の4本の足に道具を使用した跡はみられなかった(もっとも、だからといって犯罪の可能性が排除されるわけではないが)。可能性として、遺体は重りをつけて海に遺棄されたが、足は腐敗によって取れてしまったということは考えられる。 足の身元を特定することは容易ではない。なぜなら海流によって浮遊物は長距離を移動しうるし、特にジョージア海峡の流れは予測が難しいからである。足は1,000マイル (1,600 km)もの距離を漂流してきたかもしれないのである。とはいえ、セイリッシュ海沿岸にはカナダではバンクーバーやリッチモンド、ビクトリア、アメリカではシアトル、タコマ、オリンピアといった多くの人口を抱える都市が複数存在している。先述の都市で最も遠いバンクーバー〜オリンピア間の直線距離は約250kmである (直線距離なので陸地については勘案していない。当然陸地は漂流できないので実際の移動距離は増える) 。この為、事件、事故、自殺の何れにせよこれらの都市付近から潮の流れによって発見場所へと運ばれた住民や関係者のものである可能性が高いと見る方が自然だと言える。 また人間の足は死蠟化(脂肪により石鹸のような性状をもつ)する傾向にあるため、法医学では手がかりをみつけるのが困難である。最適化した条件であれば、人間の身体は水の中で三十年以上も損傷を受けることはない。つまり足は何年でも浮かんでいられるということである。 またこれらの足が2004年のスマトラ沖地震による津波で亡くなった人々のものであるという説もある。リッチモンドを拠点にする作家のシェーン・ランバートがこの説をとっている。というのも遺体がはいていた靴の多くが、2004年あるいはそれ以前に製造・販売されたものであるという事実があるからである。ランバートも認めるように、靴に関しては異なったりあるいは対立する情報もある。しかし彼は、靴の製造年だけでなく海流についても根拠にしており、2004年の津波が到達した地域から流れが最終的には太平洋を北へと向かう傾向があることを指摘している。 ただし、1本の足については鬱状態の末に自殺したとされる男性のものと確認され、2本の足が橋から投身自殺をした女性のものという裏付けがなされている。
※この「提唱されている説」の解説は、「セイリッシュ海における人間の足の発見」の解説の一部です。
「提唱されている説」を含む「セイリッシュ海における人間の足の発見」の記事については、「セイリッシュ海における人間の足の発見」の概要を参照ください。
- 提唱されている説のページへのリンク