抒情小品集 第7集とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 趣味 > ピティナ・ピアノ曲名 > 抒情小品集 第7集の意味・解説 

グリーグ:抒情小品集 第7集

英語表記/番号出版情報
グリーグ:抒情小品集 第7集Lyriske smastykker No.7  Op.62作曲年: 1895(2のみ1886)年  出版年1895年  初版出版地/出版社Peters 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 風の精 "Sylphe"1分30秒
2 感謝 "Tak"5分30秒
3 フランス風セレナード "Fransk Serenade"2分00
4 小川 "Baekken"1分30秒
5 夢想 "Drommesyn"3分00
6 家路 "Hjemad"2分30秒

作品解説

2007年11月 執筆者: 和田 真由子

1867年、《ピアノ協奏曲イ短調 作品16》で一躍有名になったグリーグは、この年から1901年にかけてこの作品集書き上げた生涯にわたって作曲されているため、グリーグ作風ピアニズムその変遷すべてがその中にあらわれており、グリーグ作品中でも中心的な存在にある。
いずれも1分~6分程度のかるめの小品であり、ステージ用というよりは、主にサロン家庭広く親しまれていた。いずれの曲も、標題つけられており、それぞれのに対して一つ感情気分情景表現されている。
1867年第1集発表したが、その後ピアノ作曲指揮など多忙だったこともあり、第2集発表されたのは、その16年後であった第2集から第10集は間隔をおきながら続けて作曲された。全10巻で、計66曲の作品おさめられている。

グリーグ : 抒情小品集 第7集 / Lyriske smastykker No.7 op.62
第6集の2年後1895年出版された。最盛期のものと比較すれば見劣りがする、というような評価がされることもある。しかしながらいくつかの作品においてはグリーグらしい洗練された自然美描き出されているし、第6集ではあまりみられなかった明るさ取り戻している。繊細な表現をもち、演奏にも高度なレベル要求されるものが多い。

1. 風の精 / op.62-1 "Sylphe":4分の3拍子ワルツ風の曲。小節線越えフレージングや、細かい休符伴ったむようなリズム音形、テンポ拍子変化は、自由できまぐれな風の精を想わせる。音程次々変化していくので、それぞれの箇所において、音色間合い変化させていくと面白い。

2.感謝 / op.62-2 "Tak":旋律は、抒情小曲集最初のころにみられたようなをもっており、曲に暖かみ洗練された美しさ与えている。それぞれの声部で、音が上行、下降動きをみせていることに注意し打鍵後に響いている音に対して絶え神経配りつづけるようにしたい。特に、印象的に響き積み重なっていく中間部コーダでは、息の長い集中力が必要である。全体的にフレーズ長ささまざまなので、それぞれの箇所において、エネルギー使い方表現のつけ方に工夫する必要があるだろう。

3.フランス風セレナード / op.62-3 "Fransk Serenade":グリーグ友人、ゲルハルト・シェルデルップの小さな思い出を描写したものだといわれている。サロン風の小品優雅軽やかな伴奏にのせて、右手コロコロと、どこか媚びる様なリズム愛らしい

4.小川 / op.62-4 "Baekken":光をあびてきらめきながら、勢い絶やさずながれていく小川描写したような、印象派的な作品聞いた印象は地味であるが、技巧的には最も難し部類入り、粒をそろえて軽やかに奏するためには、細やかな鍛練が必要である。


5.夢想 / op.62-5 "Drommesyn":曲はpからppダイナミックレンジ構成されており、左手の3連音符の上を、右手旋律がただようように歌われていく。ホ音何度もくりかえされる部分では、中の和声穏やかに変化し印象的である。全体的にはっきりした表現避け和声沿った繊細な色の移り変わりを楽しむようにしたい。 

6.家路 / op.62-6 "Hjemad":傑作のひとつであり、民俗音楽世界活き活き描き出している。民俗的な雰囲気を出すためには、リズムや、音の長さ正確にとることが最も重要である。中間部では、ひきのばされ主題動機が、穏やかな雰囲気うみだしている。中間部後半でもまた、高音部で旋律歌われ光り澄み切った音色魅力になっている




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「抒情小品集 第7集」の関連用語

抒情小品集 第7集のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



抒情小品集 第7集のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
社団法人全日本ピアノ指導者協会社団法人全日本ピアノ指導者協会
Copyright 1996-2025 PianoTeachers' National Association of Japan

©2025 GRAS Group, Inc.RSS