扇ヶ浜公園時代(1972-2005)
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「和歌山県立情報交流センターBig・U」の記事における「扇ヶ浜公園時代(1972-2005)」の解説
1971年(昭和46年)の第26回国民体育大会(黒潮国体)が和歌山県で開かれることになったことを受け、県内ではスポーツ施設や社会教育施設の整備が進められ、和歌山県知事・大橋正雄は和歌山県立図書館(本館・紀南分館とも)についても新館建設を年頭記者会見で発表した。旧・紀南蚕業指導所の館舎が狭隘化・老朽化し、道路整備のために建物の返還を求められていたという事情も重なり、建設の方向へ進んでいった。地元では紀南分館移改築建設委員会、紀南分館移改築等推進委員会を組織して陳情を重ねた。1972年(昭和47年)12月、5438万円をかけて田辺市湊の扇ヶ浜公園に新館が建設され、移転した。新館は鉄筋コンクリート構造3階建てで敷地面積は330 m2、延床面積は815.67 m2と大きくなり、親子図書室の設置や集中冷暖房の完備など近代的な施設となった。郷土資料を含む開架図書7,000冊を整え、従来自動車文庫の片手間に運営していた個人貸し出しやレファレンス業務を本格実施するようになった。中でも絵本収集に力を入れ、1974年(昭和49年)8月には、住民らも参加して「子どもの本研究会」を立ち上げた。 紀南地方では、1966年(昭和41年)に串本町図書館が自動車文庫を運行開始したのを初めとして、新宮市、大塔村(現・田辺市)、中辺路町(現・田辺市)、田辺市でも導入が進んだ。紀南分館は、自動車文庫導入済みの市町村の事業と重ならないように調整しながら自動車文庫を継続し、1977年(昭和52年)に4代目「はまゆう号」を、1990年(平成2年)4月に5代目「はまゆう号」を導入した。また視覚障碍者の読書支援のために1992年(平成4年)度から1993年(平成5年)度にかけて対面朗読とテープ録音のボランティア養成講座を開講し、修了者は新聞の電話での朗読、図書の録音テープ製作、対面朗読などのボランティア活動を展開した。 1999年(平成11年)10月、日本観光協会(現・日本観光振興協会)より、「はまゆう号」が動く観光図書館事業のモデル図書館に選定された。
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