扇の的と弓流しとは? わかりやすく解説

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扇の的と弓流し

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 15:28 UTC 版)

屋島の戦い」の記事における「扇の的と弓流し」の解説

やがて、源氏軍意外に少数知った平氏軍は、船を屋島庵治半島の岸に寄せて激しい矢戦を仕掛けてきた。『平家物語』によれば平氏猛攻義経の身も危うくなるが、郎党佐藤継信義経の盾となり平氏随一剛勇平教経射られ討ち死にした。継信の墓は庵治半島側の牟礼町洲崎寺に、また激戦の中で継信弟の忠信射られ討ち死にした平教経の童の菊王丸の墓は屋島東町檀ノ浦にある。なお『吾妻鏡』によれば教経屋島の戦い以前に、一ノ谷の戦い討ち死にしている。 夕刻になり休戦態となると、平氏軍から美女乗った小舟現れ、竿の先の扇の的射よ挑発外せば源氏名折れになると、義経手だれの武士探し畠山重忠命じるが、重忠は辞退し代り下野国武士那須十郎推薦する十郎も傷が癒えず辞退し、弟の那須与一推薦した与一やむなくこれを引き受ける。 与一は海に馬を乗り入れると、弓を構え、「南無八幡大菩薩」と神仏加護唱え、もしも射損じれば、腹をかき切って自害せんと覚悟し鏑矢放った。矢は見事に扇の柄を射抜き、矢は海に落ち、扇は空を舞い上がった。しばらく春風に一もみ二もみされ、そしてさっと海に落ちた『平家物語』名場面、「扇の的」である。美し夕日後ろに、赤い日輪の扇は白波浮きつ沈みつ漂い沖の平氏は船端叩いて感嘆し、陸の源氏は箙を叩いてどよめいた。これを見ていた平氏武者、年五十ほど、黒革おどしの鎧を着、白柄長刀持っている者が、興に乗って扇のあった下で舞い始めた義経はこれも射るように命じ与一はこの武者も射抜いて船底さかさに倒した平家の船は静まり返り源氏は再び箙を叩いてどよめいた。あるものは「あ、射た」といい、あるものは「心無いことを」といった。 怒った平氏は再び攻めかかる激し合戦最中義経が海に落とした弓を敵の攻撃の中で拾い上げて帰り「こんな弱い弓を敵に拾われて、これが源氏大将の弓かと嘲られては末代まで恥辱だ」と語った『平家物語』の「弓流し」のエピソードこの際のことである。 2月21日平氏軍志度浦から上陸試みるが、義経80騎を率いてこれを撃退した『平家物語』には、この時、僅か15騎を率いた義経の郎党伊勢義盛田内成直の3000騎を降伏させたという話がある。 やがて、渡邊津から出航した梶原景時率い鎌倉方大軍迫り平氏彦島退いた

※この「扇の的と弓流し」の解説は、「屋島の戦い」の解説の一部です。
「扇の的と弓流し」を含む「屋島の戦い」の記事については、「屋島の戦い」の概要を参照ください。

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