はまゆう号
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/04 21:21 UTC 版)

はまゆう号とは、宮崎県宮崎市と鹿児島県鹿児島市を結んで運行されていた高速バス路線である。
以前は、大分バスとの共同運行で別府・大分から国道10号を経由、延岡・日向を経て南宮崎(宮交本社前)を結んでいた特急バスの愛称として使われていた。(別府⇒南宮崎は「はまゆう号」、南宮崎⇒別府は「ゆけむり号」と名称が変わっていた)
本路線は2021年(令和3年)に新型コロナウイルス感染症の世界的流行に伴い3月に全便運休して以降そのまま運行休止(事実上廃止)となったが、休止から4年後の2025年(令和7年)に鹿児島空港とを結ぶ高速バス「マンゴーライナー」として運行区間短縮された形ながら事実上両都市間を結ぶ路線が復活した[1]。本項では「マンゴーライナー」についても後述する。
運行会社
沿革
- 1982年(昭和57年)4月 - 宮崎交通・南九州高速バスの2社共同運行において各社5往復の計10往復にて運行開始。当時は宮交シティ - 上荒田の運行であった。
- 2004年(平成16年)3月13日 - 南九州高速バスが運行から撤退。宮崎交通の単独運行となり、7往復に減便。鹿児島側の発着地がいづろ高速バスセンターから天文館に変更。えびのICに停車するようになる。
- 2005年(平成17年)4月時点では宮崎 - 鹿児島間8往復(多客期9往復)、小林バスセンター - 鹿児島間1往復。
- 2007年(平成19年)4月28日 - 夜行用27人乗り3列独立シート・スーパーハイデッカー車を使用し、宮崎駅 - 宮交シティ間と鹿児島中央駅前(南国日生ビルバスセンター)天文館のみに停車する予約指定制の「ノンストップはまゆう号」を1往復運行開始(鹿児島側からの予約・発券業務は南国交通が担当した)。宮崎駅 - 天文館間を2時間30分で運行(各停便は2時間50分)。
- 2008年(平成20年)4月1日 - 「ノンストップはまゆう号」を廃止。代替として各停便を1往復増発し、9往復とする。
- 2009年(平成21年)4月1日 - 7往復に減便。
- 2010年(平成22年)12月20日 - 南国交通が運行に参加。8往復とし、停車地を伊敷バスストップから下伊敷(国道3号沿い)に変更。宮交バスカの使用は不可能となる。
- 2011年(平成23年)10月1日 - 「宮崎駅」の停車場所が、駅向かい側の宮崎交通宮崎駅前バスセンターから、西口前のKITEN(宮崎グリーンスフィア壱番館)に新設された高速バスターミナルに移転。また、これまで停車していた橘百貨店沿いにあった「デパート前」バス停から、鹿児島行きが「山形屋前」(乗車のみ)・宮崎行きが「カリーノ宮崎前」(降車のみ)に停車場所を変更。
- 2012年(平成24年)4月23日 - 南国交通鹿児島中央駅前バスセンターの開業に伴い、鹿児島中央駅前乗降場所を変更[2]。
- 2013年(平成25年)初め頃 - 7往復に減便。
- 2013年(平成25年)7月1日 - 乗車予約方法が時間指定制から座席指定制に変更される。
- 2017年(平成29年)11月1日 - 運賃支払い方式が乗車時先払いとなる。
- 2020年(令和2年)3月21日 - 新型コロナウイルス感染症の世界的流行に伴い一部運休(これ以降、全便運休まで減便を繰り返し最終的に2往復となる)。
- 2021年(令和3年)3月1日 - 全便運休。
- 2021年(令和3年)4月1日 - 運行再開せず休止。
運行経路・停車停留所
太字は停車停留所。宮崎空港・宮崎駅 - 宮交シティならびに鹿児島空港南 - 天文館のみの利用は不可。
- 宮崎空港(一部) - 宮崎駅 - 山形屋前/カリーノ宮崎前 - 橘通り一丁目 - たまゆらの湯 - 宮交シティ - 宮崎IC - (宮崎自動車道) - 清武 - 田野東 - 高城 - 都城北 - 高崎東 - 高原IC - 小林IC - 飯野 - えびのJCT - (九州自動車道) - えびのIC - 吉松 - 鹿児島空港南 - 鹿児島空港 - 帖佐 - 鹿児島北IC - (国道3号・鹿児島市内方面) - 下伊敷 -天文館 - 鹿児島中央駅前
- 宮崎駅の乗降場所は駅西口前の高速バスターミナルとなる。
- 山形屋前は鹿児島行きの乗車のみ、たまゆらの湯・カリーノ宮崎前は宮崎行きの降車のみ停車する。
- 宮崎発のうち1本は水・土曜日に宮崎空港始発、宮崎行きのうち1本は月曜日を除く毎日に宮崎空港行きとなる。
- 鹿児島空港へは一旦溝辺鹿児島空港ICにて降りたのち、空港前のバスのりばに立ち寄る。空港近くの高速道路上の鹿児島空港南バス停にも停車する。
- 霧島SAにおいて10分間の途中休憩がある。
- 鹿児島中央駅の乗降場所は、駅東口通り(鹿児島市電「鹿児島中央駅」電停前)の鹿児島中央ターミナルビル(ソラリア西鉄ホテル「Reise(ライゼ)」1F)2番ホーム発・4番ホーム着となる。
車両仕様・車内サービス
- ハイデッカー、4列シート、40-45人乗り、トイレなし
- 宮崎交通便では車両運用の関係上、稀にトイレ付き車両が入る場合があった
宮崎 - 鹿児島空港線「マンゴーライナー」
マンゴーライナーはかつてのはまゆう号が運行していた宮崎 - 鹿児島間のうちの途中停車地であった鹿児島空港までの区間を事実上復活させた形で2025年(令和7年)7月14日から運行開始した高速路線バス[1]。コロナ禍も下火となった2020年代半ば以降、近年訪れる外国人によるインバウンド客も絶賛増加傾向にある中、九州を訪れるインバウンド客の周遊ルートから外れがちな宮崎県内にも観光客を呼び込む事ならびに観光客以外にビジネス客においても移動の選択肢を広げる目的として、宮崎県が運行費用を補助する事で2026年(令和8年)7月まで1年間の実証実験として運行開始した[3][4]。宮崎交通の単独運行。実証実験の結果を踏まえ、以降の本格運行にするかは検討するとしている。
停車箇所は、宮崎駅 - 宮交シティ - 都城北 - 高原IC - 小林IC - 飯野 - えびのIC - 鹿児島空港の8箇所のみで、鹿児島側は空港以外停車しない。宮崎発は7:55宮崎駅発、鹿児島空港発は12:30発の1日1往復のみの運行で、月曜日 - 土曜日の運行で、祝祭日も運行する(日曜日は(祝祭日の場合でも)運休)。宮崎側においては、空港行きは乗車のみ、空港発は降車のみの扱いで、宮崎県内間のみの利用は不可。乗客定員は35人乗り(4列シート車)で、トイレ付ハイデッカー車両が使用される。
座席指定制のため、乗車の際は事前予約が必須である。予約は宮崎交通各営業所等窓口・電話による予約の他、「@バスで(ハイウェイバスドットコム )」でも予約を受け付ける。支払いは原則として乗車券購入となるが、予約済みの場合は乗車の際に乗務員に氏名を告げて現金でも精算可能なほか、SUNQパス(南部九州版・全九州版のみ)も利用できる。nimoca他全国10社交通系ICカードならびにクレジットカード等は使用出来ない。なお、本路線ははまゆう号とは異なり高速路線バスでありながら完全予約制となっており、予約無き場合は空席の有無に関わらず乗車不可である。
脚注
- ^ a b 高速バス新路線「マンゴーライナー(宮崎~鹿児島空港線)」2025年7月14日(月)運行開始!(2025年7月2日) 宮崎交通
- ^ “空港連絡バス・高速バスの発着所移転に関するお知らせ” (PDF). 南国交通 (2012年3月13日). 2012年3月13日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “宮崎にもインバウンド客を 鹿児島空港と県内結ぶ高速バス運行”. NHK宮崎. (2025年7月14日) 2025年9月5日閲覧。
- ^ (マンゴーライナー)鹿児島空港と宮崎市内を結ぶ高速バスの運行を開始しました!(2025年7月29日) 宮崎県からのプレスリリース(PR TIMES)
外部リンク
- はまゆう号のページへのリンク