市政でのコロナ防疫
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 19:18 UTC 版)
2021年春以降の新型コロナ国内症例増加に伴い防疫アプリ『台灣社交距離』のダウンロード数が急増したが、台湾AIラボの杜奕瑾による開発に行政院副院長時代の陳も関与していた。 2021年5月、中央流行疫情指揮中心(CECC)が台北・新北両市に対する警戒レベル3級への引き上げを予告すると、高雄市がその対象外だったにもかかわらず準三級への引き上げを独自に実施することを発表し、感染拡大中でも違法営業を続ける市内の飲食店や風俗店などには電気や水道の供給停止などの取締強化を打ち出した。 新型コロナ軽症者用の防疫旅館(隔離用ホテル)を3,350室から2,000室増加、および感染が拡大していた北部での濃厚接触が疑われる者に対するIC健康保険証注記による医療機関への注意喚起、重症者用の病室2000床増加を表明し、病床増加数は感染が深刻な北部2市のそれを大幅に上回った。 市政府での防疫会議の内容は毎日15時の記者会見で公表されていたが、5月24日からは市政府が開設しているケーブルチャンネル、FMラジオ、FacebookおよびYoutubeでの生中継となり、文字情報や図表はLINEでも流通させるようになった。 6月、隣県の屏東県枋山郷で国内初のデルタ株クラスターが発生すると、ただちに市中医療機関を通じた支援を表明している。 同月末に鳳山区のアパートで2世帯の陽性症例が確認されると、直ちにPCR検査で陰性だった居住者100人以上に対し防疫旅館での14日間隔離措置を行い、当該地域感染者ゼロが継続した2週間後の解除時には、協力した住民に対し感謝の意を述べた。枋山のデルタ株はCECCが設置した前進指揮所を率いた王必勝により収束したが、鳳山症例ではCECCの直接介入なしで解除を達成している。 日本から寄贈されたアストラゼネカ製ワクチン1回目(124万人分)が台湾に到着した6月4日、「家族も仲間も、強い絆で結ばれていれば、どちらも同じように貴い(中国語: 家人也好、夥伴也罷,只要是彼此之間有強大的羈絆,都是一樣崇高。)」という鬼滅の刃のセリフを引用して感謝を表明した。市に割り当てられたワクチン9.2万人分が検品を経て15日午前に市内に搬入されると、14時には接種が実施された。会場を視察した陳は、接種者と取材陣がソーシャルディスタンスを確保していないことに不快感を表明している。接種には「宇美町方式」と呼ばれる大名行列スタイルを取り入れた「打狗快打」を実施している。 その後、日本政府が外務大臣茂木敏充を通じて2回目のワクチン寄贈に言及すると、同日の記者会見で日本への感謝を表明するとともに、市在住日本人に対し接種を打診しているが、日本人在住者は「このワクチンは台湾人のために送られたもの」として丁重に断っている。7月、日本からの2度目のワクチン到着時には市の防疫記者会見で「感謝日本」のフリップと、背景に富士山が描かれ日本語で「ありがとう」と書かれた特製マスクを用いて日本側に謝意を表明した。 2021年8月に発表された美麗島電子報による民調(世論調査)では、市民の防疫措置に対する満意度(支持率)は87.2%に達し、施政全体での支持率も79.9%となった。前月末に国策研究院文教基金会が実施した民調でも接種高齢者に対するタクシー送迎や宇美町方式が評価され、防疫措置は90.9%、施政全体でも84.2%が支持傾向だった。
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