地球侵攻作戦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/23 01:54 UTC 版)
戦争は1か月で終わると見込み、部下達にも豪語していたギレン・ザビの計画は破綻した。講和に持ち込むことも独立を認めさせることもできず、長期戦になると判断したジオン軍は速やかに地球侵攻作戦の決行を決定した。地上侵攻の総指揮はギレン総帥の命令によりキシリア・ザビがとり、地上戦線は「重力戦線」と命名された。 3月1日、第1次降下作戦が開始される。第1地上機動師団と宇宙基地制圧隊がコーカサス地方のオデッサ・バイコヌールに降下、3月4日にもマ・クベ率いる資源発掘隊が天然資源の多いカスピ海および黒海沿岸部に降下して占領する。この降下はHLVで行われた。連邦軍宇宙艦隊は降下を妨害しようとしたが、ジオン軍護衛艦隊に撃退された。3月11日の第2次作戦では第2・3地上機動師団が北米大陸に降下し、後の一大拠点となるキャリフォルニアベースをはじめとした大部分を占領。引き続く3月18日の第3次降下作戦では、第4地上機動師団がアジア・オセアニアに降下し、アジアの拠点の一つペキンを占領。さらに別の作戦でアフリカ・キリマンジャロも勢力下に置いた。地球の半分がジオン軍に占領されたという。4月下旬、ジオン軍総帥部は「遅くとも8月までには地球全土を掌握できる」と宣伝した。 しかし、ジオン軍総帥部の思惑はまたしても外れた。モビルスーツを持たない連邦軍は61式戦車や対MS重誘導弾を装備した歩兵でザクに挑み、大損害を出しつつもジオン軍の進撃速度を遅らせ続けた。極東方面と欧州方面での連邦軍の抵抗は激しく、連邦軍欧州方面軍が壊滅したのは7月下旬だった。欧州方面軍はなおも屈せず、イギリスや北欧に拠点を移して抵抗を続けている。極東では、一年戦争最終盤まで連邦軍とジオン軍の戦闘が続いた(第08MS小隊)。中央アジアは中立地帯とされているが、実際にはジオン軍が優勢であった。アフリカではジオン軍が各地に鉱山基地や拠点を築くものの大陸全体を制圧することはできず、連邦軍とジオン軍の戦線が形成された。 このように、ジオン公国軍は連邦軍総司令部ジャブローの入り口を確定できないこともあって決定的勝利をつかみきれず、各地で両軍の攻防作戦や地元ゲリラなどの小競り合いが続いた。北アメリカ大陸ではジオン軍の戦線が拡大して戦力が分散した結果、局所的には連邦軍が制空権を握っていた。一方で両軍の末端部隊が孤立し、アムロ・レイの実家周辺のように戦線が入り組んだ地域もある。特にジオン軍は補給線が伸び切ったために物資が末端まで届かないことが起こるようになり、完全に環境調整されたスペースコロニー育ちにとって慣れない地球の生活に直面した。 戦局を打開すべく、ジオン軍は各地拠点でモビルスーツ部隊、陸上部隊、航空部隊の戦力増強並びに新型モビルスーツ、拠点攻略及び防衛用のモビルアーマーの開発を行った。対する地球連邦軍ではレビル将軍ら改革派が大艦巨砲主義にこだわり続ける反対勢力を振り切り、ジオン軍のモビルスーツに対抗するためのV作戦を4月1日に発動した。モビルスーツの開発を主とするRX計画と、一週間戦争及びルウム戦役で失われた艦隊を再編成するための建艦計画であるビンソン計画を同時進行させ、戦力の増強と一大反攻作戦のチャンスを狙っていた。このように連邦軍は独自のモビルスーツを開発する一方、鹵獲ザクを運用した特殊部隊を編成し、各地のジオン軍補給拠点を襲撃する。7月には極東方面に第1機械化混成大隊(通称コジマ大隊)が設立され、連邦軍のモビルスーツ運用体制は整いつつあった。
※この「地球侵攻作戦」の解説は、「一年戦争」の解説の一部です。
「地球侵攻作戦」を含む「一年戦争」の記事については、「一年戦争」の概要を参照ください。
- 地球侵攻作戦のページへのリンク