在地領主論への疑問異論とは? わかりやすく解説

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在地領主論への疑問・異論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/07 02:10 UTC 版)

武士団」の記事における「在地領主論への疑問・異論」の解説

佐藤進一1965年の『南北朝の動乱』 の中で、武士を「武芸をもって支配階級仕え職能もしくは職能集団と言い切る。この一文は、武士論を正面から展開する中でのものではなく南北朝時代武士の家が敵味方分裂したことに関連してサラッと書かれ一文なのだが、しかしその後武士武士団研究大きなインパクト与えた。 更に、戸田芳実石母田正安田元久らの、武士階級農村から権門など古代階級打ち破る階級として生まれるとする見解に対して武士初めから農民対立する支配者であった主張する。 その(鎌倉幕府の)担い手である武士イコール在地領主発展度を研究していくと言うのが従来スタイルでしたが、社会経済史で、特に農民常態から考えていくと、貴族武士支配対象同じなんです。両者がひとのものとして民衆対置される様子在地文章を見るといやおうなしに解りますそうすると王朝国家のもとで領主成立すると言うことの意味は、彼らの権力機構国家官職あしがかりとして出来上がると言うことです。 引用した対談1974年のものであるが、それに先立つ1969年12月法制史研究会総会で、戸田芳実は『国衙軍制形成過程』を発表、そこで述べた地方軍貴族」または「辺境軍事貴族」という概念、そして「国衙軍制」への着目その後武士論に大きな影響与えた。 その同じ研究会石井進も『院政期国衙軍制』を発表する。同じ国衙軍制テーマであるが、戸田平安時代初期中期武士発生段階を、石井その後院政期について論じた。その石井進1974年の『日本歴史12 中世武士団』の中で、有名な国司軍と地方豪族軍の図式化行いながら、次ぎのように述べる。 誤解恐れず単純化すれば武士職能人論といえるが、武士=在地領主論だけでは不十分な側面明らかにうきぼりにしてくれると思う。特に通常いわゆる開発領主」や在地領主登場以前とされている段階初期武士団、「兵(つわもの)」たちに対してはこの見方の方がより適切なばあいが多かろう。…とりあえ中世武士団とはなんぞやという問いに対しては、弓射騎兵としての戦闘技術特色とする武力組織であって社会実態としては在地の土とむすびついた地方支配者 であるとみておき、それ以上の点については今後検討にまつ、ということにしたい。 それらの学説は「武士職能論」と呼ばれその後髙橋昌明ラディカル論客として登場する。ただしそれらの分類決し絶対的なものではない。例え石井進国衙軍制論発展させるとして、「国衙軍制論」を中心に武士論ず下向井龍彦は「武士職能論」を激しく批判する

※この「在地領主論への疑問・異論」の解説は、「武士団」の解説の一部です。
「在地領主論への疑問・異論」を含む「武士団」の記事については、「武士団」の概要を参照ください。

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