古代怪獣 ゴメス
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「ウルトラQの登場怪獣」の記事における「古代怪獣 ゴメス」の解説
第1話「ゴメスを倒せ!」に登場。 学名はゴメテウス(GOMETIUS)。東海弾丸道路・第三工区の地底から出現する。設定では新生代第三紀ごろに生息していた肉食性の獰猛な原始哺乳類であるが、劇中では変温動物であると説明されており、地中温度の上昇で長い眠りから覚めた。発達した前腕で地中を掘り進み、両手の鋭い爪と長い牙を武器とする。大きな甲羅状の頑丈な皮膚を背中に備え、敵の攻撃から身を守る。長く地中に生息していたことから、カメラのフラッシュ光などの強い光を苦手とする模様。第三工区の北トンネル工事現場でリトラと対決し、尾を叩きつけたり牙で噛みついたりと獰猛な戦い方で一時は善戦するが、嘴で右目を突かれて形勢が逆転し、最後はリトラのシトロネラアシッドに敗れて絶命する。 スーツアクターは中島春雄。 デザインは東宝特殊美術課の井上泰幸。準備稿と決定稿の冒頭には「哺乳類、胎生、肉食。姿形稍アザラシ状。前後肢に稍退化せるも水かき、特に前肢が極端に発達し、鋭い爪を持ち、上顎より牙が生えている」との記述があり、四足歩行の怪獣と想定されていた。 着ぐるみは1964年公開の東宝映画『モスラ対ゴジラ』で制作されたゴジラを流用。当初は、『妖星ゴラス』に登場するマグマの着ぐるみが使用される予定だった。『三大怪獣 地球最大の決戦』の撮影終了後に利光貞三、八木康栄・勘寿、開米栄三、村瀬継蔵らによって改造され、円谷特技プロに貸し出された。ゴジラの胴体にサラシを巻き、その上に甲羅や鱗を盛って口の付近に髭をつけるという改造について、開米は「この手法は戻すのも簡単」と述べている。撮影終了後、ゴメスは返却先の東宝特美課にて『怪獣大戦争』で制作された「大戦争ゴジラ」の頭を挿げ替え、同年5月に上野赤札堂デパートで開催された「怪獣展」に展示された。その後、この「三大怪獣ゴジラの胴体」と「大戦争ゴジラの頭」を接合したゴジラは再び円谷特技プロに貸し出され、開米ら東宝特技課によってジラースに改造された。さらに、このゴジラは再返却先の東宝特美課にて『三大怪獣地球最大の決戦』時の状態に戻された後、7月から『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』でのプール撮影に使用された。 後頭部には前方へ向かって弧を描くように曲がった一本角がついている。 鳴き声は動物園の動物の声を録音して使用したもの。 ゴメスは身長が10メートルという設定のため、ミニチュアセットは1/5スケールで造られた。 第18話「虹の卵」のシナリオ第一稿と第二稿ではゴメスが再登場する予定だったが、撮影時には着ぐるみがすでに東宝でゴジラに戻されていたため、第三稿(決定稿)より新怪獣パゴスに変更された。 『総天然色ウルトラQ』では、ベースとなったゴジラの黒茶系の色に撮影で用いた砂や赤土がついて黄茶系になると推測したうえ、特撮では巨大なものには青い照明が用いられることから、緑系で着色された。また、本放送当時のソノシートや怪獣ノートなども参考にされた。側頭部の突起は、胴体と同じくウレタンで作られているものという推測から、頭頂部の角とは異なる肉襞と解釈された。
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