古代ヒッタイト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 14:13 UTC 版)
イズミル 声 - 塩沢兼人 / 櫻井孝宏 古代ヒッタイト王国の第一王子。名前の由来は今のトルコ(ヒッタイト)西部の都市イズミルから。近隣国にもその令名を謳われる、聡明な長髪の美丈夫。武術の達人としても名高い。宿年のライバルであるメンフィスの戴冠式に、名代としてエジプトへ赴いた妹ミタムンが殺害され(彼がエジプトに滞在している間、市に出かけた従者の一人が古物商から買ったミタムンの額飾りが黒焦げていて血が滲んでいた事から、殺害された事を悟る)、復讐のために誘拐したキャロルだったが、その聡明さや何物にも屈しない気性を知るうちに熱愛してしまう。キャロルを妃に迎えたいと密かにルカを送り込み、動向を探っては何度も奪取・拉致を試みる。魔女キルケーの魔力のこもったペンダントにより催眠状態にしたキャロルと無理矢理結婚式を挙げるなど、強引な手段を取る一方で、自己犠牲さえ厭わずキャロルの身を守ろうとする真摯さを抱いている。 ミタムン 古代ヒッタイト王国の第一王女で、イズミルの妹。戴冠式のために名代として赴いたエジプトでメンフィスに好意を持つが、後に失恋。強引に結婚を認めさせたものの、ミタムンの言葉に揺れるメンフィスの様子に危惧を抱いたアイシスによって供の者を全て殺害された上、宮殿内の牢屋へ幽閉される。後に牢から脱出し、アイシスを殺害しようとしたが、キャロルが悲鳴をあげたことにより失敗。供物の油まみれとなり、その上から燭台の火をかけられる。キャロルが救おうとするが間に合わず、目の前で焼殺された。このことがきっかけとなり、イズミルのエジプト復讐の原因となってしまう。 ヒッタイト王 残忍で冷酷かつ好色なヒッタイト王国の王で、イズミルやミタムンの父。息子イズミルとはキャロルの身柄を巡って争う姿勢を見せるが、イズミルがライアンに撃たれ重傷を負うと、報復としてキャロルの暗殺を命じるなど、息子想いなところも見せる。 ヒッタイト王妃 ヒッタイト王国の王妃でイズミルの母。夫のヒッタイト王と正反対に、非常に思慮深く子供思いの優しい女性。登場当初はミタムンを失った悲しみと怒りをキャロルへ向けていたが、恨みを持ち越し続けることはなかった。またキルケーの妖術で正気を失ったキャロルと無理に婚儀を挙げようとするイズミルに不快感を示すなど、王妃らしい堂々とした風格を持つ。 ミラ 王妃のお付きを務める大人しい女性。王妃から気に入られているらしく、イズミルの花嫁にと勧められていた。彼女自身もイズミル王子のことを想い、エジプトから攫ってきたというキャロルの存在に不安を募らせていた。ただし他のライバルたちのようにキャロルを殺したり陥れようとはせず、キャロルの望み通り、鍵を落としてヒッタイトを去らせようとしただけに留まる。近年ではイズミルの熱愛ぶりに望みがないと諦めたのか、王妃と共に登場はしても、ほとんど発言はない。 ムーラ イズミル幼少の頃から王と王妃の信任を受け、養育係を務めてきた女性。エジプトでいうナフテラ女官長のように侍女たちを統括する立場にあると思われる。イズミルの幸せを第一に考えているため、エジプトの神の娘と呼ばれるキャロルに敬意を払いつつも、イズミルに逆らうことは許さないと恫喝する。また火の島から連れてきたモリオネーがイズミルの側へ馴れ馴れしく侍ることを快く思っておらず、徹底的に遠ざけようとする。 ハザズ将軍 人の良い好々爺のように思えて、冷徹なヒッタイトの将軍であり、ムーラと共に王子の幼い頃から側近くに仕える。ムーサの山の麓の村にただ一人潜入し、キャロル拉致を成功させたり、ミノアでのキャロルの危機に我を失うイズミルに苦言を呈するなど、イズミルから高い信頼を得ている人物である。 ウリア ヒッタイト王の姉で、ジダンタシュの母。イズミルへの愛情を装い、ねだられるままに書物を与えることで、文弱な男を嫌うヒッタイト王から厭われるよう、イズミルを学問好きの柔弱な少年に育てようと仕組んでいたが、しくじったと知るや豹変。イズミル暗殺を企て、優しい伯母を心から慕っていた幼いイズミルの心に深い傷跡を残した。イズミルを逆恨みし、その命を狙っている。 ジダンタシュ イズミルの従兄弟。ヒッタイト王の甥。母ウリアとともにイズミルの命を狙う。幼い頃から粗暴であり、世継ぎの王子として周囲の衆望を集めるイズミルに敵愾心を抱いていた。死んだとされたイズミルに代わって世継ぎとして立てられると思いきや、謀事が発覚し、母共々失脚。一転して追われる身となり、その後も付近に潜伏する。
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