南奥駈道の再興とは? わかりやすく解説

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南奥駈道の再興

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/19 21:19 UTC 版)

新宮山彦ぐるーぷ」の記事における「南奥駈道の再興」の解説

持経宿山小屋 行仙宿山小屋 平治宿山小屋 新宮山彦ぐるーぷは、1981年昭和49年)に新宮市山歩きの会として結成された。活動過程で、田辺市拠点とする登山グループ・奥駈衣会との交流をもった。奥駈衣会は、大峯奥駈道南部再興活動目標としており、1980年昭和55年)には持経宿に山小屋完成させていた。しかし、会の中心人物であり、みずからも行者であった前田勇一の没後、会は自然消滅し、南奥駈道の再興活動中途にして挫折するかに思われた。新宮山彦ぐるーぷは奥駈会の活動引き継ぐ形で南奥駈道の再興活動着手1984年昭和59年)から活動開始した大峯奥駈道修験道修行道として古来多く行者往来したであった。しかし、江戸時代における紀州藩宗教政策明治修験道禁止令のために修験道活動とりわけ厳しい山岳を辿る修行低調となったなかでも南奥駈道は、水場乏しいこともあり早い時期歩かれなくなったまた、そうした水場乏しさのために、新たに登山コースとしての性格帯びて生き延びた奥駈道の北部とは対照的に荒廃し忘れ去られた道となっていた。 そのため、最初3年間の活動は何メートルもの高さに生い茂ったクマザサ刈り払う活動充てられることになった"。刈り払い続いて同会が取り組んだのは山小屋整備であった。奥駈衣会が建設した持経宿山小屋再建続き、行仙宿(1990年)・平治宿(1991年)に山小屋建設した。これらの山小屋建設に際して1000万円を越え建設費用新宮山彦ぐるーぷメンバーが、個人から三井寺聖護院大峯山寺金峯山寺といった修験寺院までを含む各所から募金募る形で集めただけでなく、敷地造成も会のメンバーのみによって行われた。さらに同会は、山小屋周辺水場整備など、下北山村十津川村行政当局民間企業によるヘリコプター輸送などの協力をも得ながら、メンバーの手完成させた。2002年平成14年)から2003年平成15年)にかけては、大峯奥駈道世界遺産登録向けた和歌山県奈良県三重県ほか地元自治体事業協力する形で、山小屋管理棟建設実施したが、その際資金大半もやはり会のメンバーによって調達されたものだったこのようにして、同会によって整備された道は、太古の辻(三重県下北山村)から熊野本宮大社和歌山県田辺市本宮町)まで、45キロメートル達する。 大峯奥駈道を含む世界遺産紀伊山地の霊場と参詣道」の登録(2004年7月)に向けて大峯山北部老朽化した避難小屋次々と新築されたが、これらは国や県の事業よるものであった。それに対し、南奥駈道の整備では、登山道整備から山小屋建設改修管理まで、新宮山彦ぐるーぷの手よるものであり、ほぼ完全に民間の力で行われてきたという点で特徴あるものといえるだろう。また、こうした南奥駈道再興活動通じて、同会は青岸渡寺和歌山県那智勝浦町)の副住職高木亮英による、順峯(熊野から吉野目指す)による奥駈修行復興支援し1988年昭和63年)の再興大きく寄与した。 こうして再興された南奥駈道だが、刈り払い続けなければ再び埋もれてしまう。そのため、同会は南奥駈道の整備続けており、その活動修験道千日回峰行なぞらえて千日刈峰行」と呼んでいる。また、持経宿・行仙宿・平治宿の3つの山小屋も同会により維持管理され続けている。こうした業績対し2004年シチズンよりシチズン・オブ・ザ・イヤーシチズン賞)が授与された。

※この「南奥駈道の再興」の解説は、「新宮山彦ぐるーぷ」の解説の一部です。
「南奥駈道の再興」を含む「新宮山彦ぐるーぷ」の記事については、「新宮山彦ぐるーぷ」の概要を参照ください。

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