千歳発電所とは? わかりやすく解説

千歳発電所

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/18 16:08 UTC 版)

王子製紙」の記事における「千歳発電所」の解説

豊富な水量有し工場のある苫小牧に近いこともあって、当時長距離送電技術確立されていなかったこともあり千歳川への関心高まった折から福澤桃介始め民間による水力発電事業盛んに全国行われていたこともあり、明治末期より千歳川水力発電所群を建設する計画立てられた。 建設が行われたのは、千歳川支笏湖より流れ出て現在の千歳市中心部に出るまでの狭窄部。水明渓谷呼ばれる一帯であった千歳市水明郷)。当時この一帯宮内省御料地であったが、1905年明治38年)に使用申請行い、これが受理された後に着工された。この地が選ばれ理由は、不凍湖である支笏湖豊富な水量千歳川急流水力発電適し、また工場予定地から近距離であるので当時技術でも送電が可能であったこと、さらに北海道炭礦鉄道敷設されていたことで物資の運搬が可能であったためである。 発電所含めた工場建設のための総工費当時の額で約400万円という高額であり、王子製紙単独では拠出不可であったことから、三井合名会社資金援助仰ぎ建設始まった。まず1910年明治43年4月28日支笏湖からの吐き口に「千歳第一堰堤えんてい)」を設けて、そこから水路通じて発電を行うこととした。これが「千歳第一発電所」であり、認可出力10,000キロワット当時としては日本最大級水力発電所であった第一発電所その後増設1914年大正3年)と1930年昭和5年)、1969年昭和44年)に実施し、現在では25,400キロワット発電する。これ以降1916年大正5年)から1941年昭和16年)にかけて、千歳川相次いで水力発電所建設されるようになった千歳第二発電所 : 1916年3月運転開始出力2,700キロワット取水口千歳第二堰堤千歳第三発電所 : 1918年大正7年5月10日運転開始出力3,300キロワット取水口千歳第三ダム千歳第四発電所 : 1919年大正8年運転開始出力3,600キロワット取水口千歳第四ダム千歳第五発電所 : 1941年昭和16年2月7日運転開始出力1,600キロワット取水口千歳第五堰堤) 特に1918年大正7年)に完成した千歳第三発電所取水口である千歳第三ダムは、北海道初め建設されコンクリートダムであり、日本のダムの歴史特筆されるものであったまた、千歳第一堰堤日本では唯一となる重力式バットレスダムという型式である。現在では上流千歳第一第二堰堤下流千歳第四ダムと共に土木学会による土木学会選奨土木遺産発電所一緒に指定される貴重な土木文化財でもある。千歳第一から第五までの発電所群を総称して一般的には「千歳発電所」と呼ぶ。この後羊蹄山水源とする尻別川にも「尻別第一第二発電所」が建設された。さらに1928年昭和3年)には千歳川支流である漁川恵庭発電所出力2,150キロワット)が完成し王子製紙主力工場である苫小牧工場操業支えた。 なお、千歳発電所から供給される電力は、北海道電力供給される交流電源周波数50Hzではなく西日本電力周波数と同じ60Hzである。これは1910年明治43年)の千歳第一発電所建設当初王子製紙導入した発電機が60Hzだったことに由来するまた、この電力王子製紙苫小牧工場内だけでなく、支笏湖畔の支笏湖温泉一帯全て供給されている。支笏湖温泉街では西日本と同じ60Hzに対応した電気機器が必要である。

※この「千歳発電所」の解説は、「王子製紙」の解説の一部です。
「千歳発電所」を含む「王子製紙」の記事については、「王子製紙」の概要を参照ください。

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