十二表法成立期とは? わかりやすく解説

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十二表法成立期(共和政期)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/09 14:16 UTC 版)

ローマ法」の記事における「十二表法成立期(共和政期)」の解説

この時代重要な法源となったのが、パトリキプレブスとの間の闘争結果として制定されたと伝承に残る十二表法である。十二表法紀元前449年十人委員会によって起草された。その断片記録され残っているが、そこから分かるのは、十二表法近代的な意味での法典といえるものではなかったということである。十二表法は、いかなる事案にも法的解決与えるような適用可能なあらゆる規則を完全かつ首尾一貫した体系として提示することを目的としたわけではなかった。 そのため、その後十二表法補完し修正するためにいくつもの法が制定されていくが、それには、紀元前445年カヌレイウス法パトリキプレブス婚姻認めたもの)、紀元前367年リキニウス・セクスティウス法公有地所有制限設け執政官1人プレブスとすることを保障したもの)、紀元前300年オグルニウス法プレブスにも神官になる道が開かれた)などがある。 紀元前287年ホルテンシウス法は、平民会決議全市民拘束する権限与え以後平民会大きな権限を持つようになった平民会議決した最初の法は、紀元前286年のアクィリウス法であり、これは他人奴隷または大型家畜不法に殺害した者に一定の銅貨支払うべきことを定め不法行為法原点とされている。 十二表法は、その制定当時に既に存在していた慣習法変更することを意図した個別的な規定いくつも集めたのであるが、これらの規定の中で最も大きな部分占めるのは、私法民事訴訟に関するものであった。そのためローマ法私法中心に発展していくことになる。もっとも十二表法は、あらゆる法分野関係しており、これをなるべく広く柔軟に解釈していくことによって妥当な結論得ようとする傾向生み出した。そのため、「十二表法すべての法の源である。」と言われた。 ローマヨーロッパ法文化に対する最も重要な貢献といえるのは、よく練られ成文法制定されたことではなくギリシャ哲学科学的方法論法律問題ギリシャ人自身はこれを科学として取り扱ったことはなかった)に適用するヘレニズム法学呼ばれるローマ法学の成立専門家集団としての法律家出現である。 ローマ法学の起源はグネウス・フラウィウスの伝説求められるフラウィウス時代前には、法廷において訴訟開始するために用いるべき術語集めた式文集は秘密のもので、神官にしか知られていなかったといわれている。フラウィウスは、紀元前300年ころ、これを盗み見式文集を出版し以後神官でなくてもこれらの法的文書探求することができるようになったとされている。この伝説が信用できるか否かはともかく、紀元前2世紀には、法律家活動盛んになり、法学論文多数書かれるようになったのは事実である。共和政時代有名な法律家中には、 法のあらゆる側面についての膨大な論文書き後世多大な影響与えたクィントゥス・ムキウス・スカエウォラや、キケロ友人であったセルウィウス・スルピキウス・ルフスがいる。それ故紀元前27年共和政ローマ倒れ、代わって元首政という独裁体制成立したころには、既にローマには非常に洗練された法制度と一新され法文化が存在していたのである

※この「十二表法成立期(共和政期)」の解説は、「ローマ法」の解説の一部です。
「十二表法成立期(共和政期)」を含む「ローマ法」の記事については、「ローマ法」の概要を参照ください。

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