創刊と盛衰とは? わかりやすく解説

創刊と盛衰

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/09 08:30 UTC 版)

講談社X文庫ティーンズハート」の記事における「創刊と盛衰」の解説

この項の内容は主に、企画部作家であった花井愛子皆川ゆか津原やすみ津原泰水)の発言に基づく。 1984年講談社X文庫創刊ノベライズ文庫であった。 この立ち上げコピーライターとして関わった花井愛子が、続けてここから刊行されるノベライズ受注その伝手から新規企画ティーンズハートへの小説執筆依頼された。1986年初冬、既に第2回までのラインナップ決定していた時期である。この時点での企画は「X文庫ブランドそのままにして、ノベライズのほかに、オリジナル小説ティーンズハートサブブランド名でリリースしていく」というものであった1987年2月、ティーンズハートレーベル創刊矢沢名義ティーンズハートで二冊執筆した大森望曰く、ティーズハートは竹田将の持ち込み企画だった。 高岡みちしげ『ときめいてチャンピオン』、三好礼子『風より元気!!』、森脇道『少女探偵明日はない』、矢沢翔『テルアキ : 風のチェッカーフラッグ』、吉田ちか初恋♥スクーターロード』の5冊である。バイクミステリ題材にした主に三人称小説という、後のレーベル傾向とは程遠いラインナップとなっている。 創刊2箇月のラインナップについて花井は「ターゲット絞り込みハンパ」「カバーデザインが地味」だったと評価している。花井は、既に隆盛極めていた集英社コバルト文庫傾向と、当時並行して執筆していた少女漫画原作経験踏まえ自著プロデュースするターゲットコバルト文庫競合しない、「いままでマトモ活字の本を読んだとがない15歳中3少女」に設定された。後に皆川花井より、コバルト文庫に対して二番手戦略だったと聞かされたという。 この戦略が当たり、またまもなく花井複数ペンネーム使い分けることで刊行ペース上げる。毎月新刊半数花井著作という状況となり、また他の作家この方向性足並みを揃えることで、レーベルカラー定まった立ち上げから数箇月で急速なブームとなったことで早々に販売規模拡大され企画部新刊点数確保難渋するうになる皆川デビュー作は、6月の他編集部への原稿持ち込みから紹介改稿経て9月には刊行されている。1989年デビュー津原は、ライターとして所属していた事務所への「少女小説書ける人はいないか?」との打診に応じて提出した冒頭13サンプルそのまま採用されデビュー作となった。 また秋野ひとみ青山えりか小林深雪は、企画部と縁のあったホットドッグプレス執筆していたライターであった皆川は後にこの状況を、「持ち込み新人ライターといった有象無象無理矢理書かせて、実戦投入」と表現している。「粗製濫造」と評される状況である。 また、読書慣れていない少女たちにも読みやすいものを目指し作品群は、時を経ずして読者層年齢押し下げた読者層当初中高生から小中学生へと移行し編集方針も低年齢層迎合するうになる以降レーベル低迷の要因として、この流れ指摘される読者層購買力の低い低年齢層へと移ったことで、毎月新刊買い支えられなくなったとの指摘もある。1991年頃のことであり、バブル崩壊に伴う出版不況状況悪化拍車を掛けた。 以降レーベル低迷続け徐々に刊行点数発行頻度落とし2006年廃刊となる。

※この「創刊と盛衰」の解説は、「講談社X文庫ティーンズハート」の解説の一部です。
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