副詞他
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/07 22:24 UTC 版)
〜さ(〜に、〜へ)東北方言と共通。近年は函館周辺以外ではあまり聞かれない。「仕事さ行く」「あっちさ、行った」 〜さる(〜が物理的に可能)「リモコンのボタン、押ささらないわ」「ここなら(地盤がやわらかいので)看板が立たさるわ」「このボールペン(インクが乾いて)書かさらないわ」(→自発的表現の節参照) したっけ(1.接続詞の「そうしたら」の意、「(そ)したら」の過去形。過去の事象の結果に続ける場合に用いる(例:昨日裸で寝たさ、したっけ一発でかぜひいたさ)2.別れる際の挨拶で「それじゃ」「じゃあね」と同意味で「したっけね」という言い方で、道央圏の特定の世代で多く用いられる)挨拶に用いるのは「したら」の誤用、本来は「したっけ」単独で使うことはない。一説にはNHK朝の連ドラの中で誤用されたのが始まりとの説あり。その他、して(そして)、したら(そうしたら)など、語頭の「そ」が発音されない傾向にある。 ちょっきり(ぴったり/ちょうど/きっかり)「12時ちょっきりに着いた」「315円ちょっきりあったわ」 〜でない(〜ではない、〜じゃない)「では・じゃ」→「で」になる。「その服、いいんでない?」。都心部・若年層では少ない。 なして(どうして)「なして昨日行かんかった」 なしても(どうしても)問いかけに対して、特に理由がない場合の返事「どうして昨日来なかったの?」→「なしても(どうしても、特に理由がない場合)」 なまら、なんまら(とても、かなり)比較的新しくできた表現で、品の無い言葉として嫌う人が多い。最も有名な北海道方言であるにもかかわらず、日常語として使う人は稀で、若年層が面白半分で使うケースがほとんどである。近年では「めっちゃ」「超」のほうが多く使われようになり、その若年層でも使われなくなりつつあったのだが、2010年代に入り、日本ハムの選手が頻繁に使用したり、道内企業の製造する商品名(主に土産物)の一部に使用されたりと、徐々に復権しつつある。元は新潟弁で、1970年代に新潟県出身のラジオDJが使ったことから広まった地域的な若者言葉だった。主に道央、道東、上川などの内陸部で使われ、稚内周辺では同意語で「べろ」、函館周辺では「がっつ・がっつり・わっつり・ばっこり・だで・うだで」というものがある。「なんまら」は強調表現。 なんぼ(幾ら)数値や金額。「その車、なんぼした?」「なんぼ何でもそれはないっしょ」西日本と東北地方でも聞かれる。かつて、「いくつ・いくら」と「なんぼ」が微妙な用法の差を持ちながら全国に広がり、地域によって一方だけが残ったと考えられる。 なんも(なにも、なんにも)「なんも無いけど、あるもんで食べてね」「なんもさ(なんでもないよ、大丈夫だよ)」 なんもなんも(どういたしまして)「なんも」は、なにもの意味ですが、これを2回続けて使うことで、「どういたしまして」に似た意味になります。「どういたしまして」より砕けており、とても温かみのある言葉となります。 〜ば(〜を)目的をあらわす「を」が「ば」になる。東北方言と共通。近年は函館周辺以外ではあまり聞かれない。「箱ば開ける」 はっちゃきになって(はっちゃきこいて)(がむしゃらになって、無我夢中で)「はっちゃきになって(はっちゃきこいて)走る」など。 ほれ(=「ほら」、呼びかけの語)「ほれ、見てみれ」(ほら、見てみろ) まるまんま(丸ごと)「丸い」+「まま」 むりくり(無理やり)「無理っくり入れようとするから壊れるんだ」 もしか(もし)「もしか契約を断られたらどうしましょうか」 わや(わいや)(手がつけられないほど酷い、めちゃくちゃだ、否定的な「とても」の意)「部屋が散らかってわやだ」「わやなことになった」など。「なまら+わや」でとても酷い状態を表現したい場合に使用されることがある。現代共通語では使われないが、北海道のほか関西地方、名古屋市周辺、広島県,山口県の一部などでも使われる。 えった(鬼ごっこで鬼がタッチして捕まえる際に言う言葉)由来には諸説あり、「穢多(えた)」がなまって「エッタ」とも言うのでこの言葉ともされるが、それを否定する人がおりロシア語の「エッタ(エータ)」(=英語のthisやitなどに相当)という説、英語の「it(英語で鬼ごっこの鬼を意味する)」という説、動詞の「獲る(える)」に完了を意味する助動詞の「た」がついた「獲った(えった)」という説などがある。現地のお年寄りが「えった=えた」であるという認識を示す ※「べこ」(牛)、「じょっぴんかる」(鍵をかける)、「とっぺる」(壁などで仕切る)など、特定の地域特有の表現、地域や世代により意味が微妙に異なる語、死語に近いものも含めるとかなりの数にのぼる。
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