共産趣味のタイプ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/14 23:26 UTC 版)
興味本位・お笑い型 主に50 - 70年代の学生運動の生態や分裂を繰り返す極左団体・世界の共産主義運動や共産圏などへの興味から、文献・画像・グッズを漁ろうとするタイプで、政治思想的には左翼思想にシンパシーを抱いているとは限らず、むしろノンポリか、反共主義的な考えを持っている場合もある。余計なトラブルを避けるためか、自分自身の思想などをあまり書きたがらないケースも少なくない。しかし、場合によっては共産主義の古典などへの知識も求められるため、そういった文献を熱心に読む者も少なからず存在する。なお、共産圏の軍装などに興味を抱くミリタリーマニアや、コスプレの一種として軍装や「ゲバスタイル」に扮したり、「同志」「革命的」「反革命」「ヨシッ」「異議なし」「ナンセンス」「マンセー」「ウラー」などといった、「革命的な」用語を用いることもある。 特に、北朝鮮を趣味の対象とする人々は、朝鮮趣味者、チョソンクラスタ、金(キム)派などと称される場合がある。 また、層が重なることもあり宗教、右翼、警察など、左翼に敵対的な立場の存在の文献・画像・グッズを漁る者、そして、共産趣味の対象になりうる文献を電子化し、ネットに公開する者もまた存在する。なお、右翼・宗教・警察・自衛隊(軍隊)関係のウォッチャーを「国粋趣味者」「萌国趣味者」(「報国」と「国萌え」をかけている)などと呼ぶこともあるが、あまり言葉としては定着に至っていない。 シンパ・思い入れ型 共産主義・社会主義・無政府主義、あるいはこうした思想を掲げる組織などに共感、少なくとも幾分かの思い入れを抱き、あるいはそれらに対する一定の評価をしつつも、多くの場合それに負の側面を捉え、距離を保ちながら観察する。場合によっては、集会やデモに参加して、その報告を行うこともある。また、機関紙誌に投稿している趣味者など、距離の置き方が狭い場合もまた、存在する。こういった場合、距離をおいて自分たちのことを見ることができるかが重要な部分であるという考えが、共産趣味に該当するネット掲示板の参加者においては、共有されていると見られる。生活の中心としてではなく趣味の範囲で共産主義活動を行うという意味で共産趣味者を名乗っている場合もあり、このタイプの存在が共産趣味者という存在を複雑化している原因でもある。 傍観・冷笑型 現在も活動を続ける過激派、左翼組織、活動的個人の実情からかけ離れた大言壮語やそれとうらはらな運動・組織実態を、冷静あるいはシニカルにネット上などで指摘するタイプである。お笑い型と通じるところもあるが、より傍観的色彩が強い。その書き込みが強いニヒリズムを感じさせることもあり、また「主義者」に対する冷笑ともとれるので、思い入れ型趣味者と激しい論争になることもある。しかし、この型に属する者も概して情報収集には力を入れており、思い入れ型などが思っていて言えないことを直截に指摘することもあるので、趣味者全体からは重宝がられている場合が多い。 回顧・回想型 かつて活動家として左翼運動や党派に参加した経歴を持つ者が、自己の体験や見聞をネット上などで語るタイプである。長い年月を経て過去の体験をある程度は客観的にみている場合が多く、その内容が一般には知られていない貴重な証言となっている例も少なくない。過去に自己が関わった運動・集団に対する態度は、今でも密かな思い入れを感じさせるもの、愛憎が入り交じった複雑なもの、過去の体験が今も傷として残っていると感じ取れるものなど、さまざまである。いずれの場合も、現在の自己については口を閉ざして語らない者が少なくない。
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