作風・制作
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/24 16:11 UTC 版)
ゲーム会社を舞台として、若い女性社員ばかりのチームに配属されたヒロインの日常・勤務生活を描く、4コマ漫画である。作者の得能は3年間、ゲーム会社に勤務した経験があり、その経験が基になっている。企画時には作者の辛い実体験に基づいた「ほのぼの社畜漫画」という路線が予定されていたものの、連載が始まると登場人物たちの仲の良さに引っ張られ、予定よりも楽しげな作風で描かれることとなった。ゲームソフトの開発環境やハードウェアの推移は移り変わりが激しく、月刊誌連載のペースでは執筆から単行本に収録されるまでの間に情勢が変わってしまうことから、ゲームの時事ネタや社会風刺は扱わない方針で、劇中におけるゲームの制作場面は普遍的な内容のみが描かれている。 物語の方向性は女性中心の人間関係を描くことに置かれており、社会人ドラマ的な内容よりも、各話で特定のシチュエーションに置かれた登場人物がどうするかという内容を念頭に置いた話作りが指向されている。物語は基本的にヒロインの視点で描かれているが、本作では上司と部下という上下関係が軸となっており、周囲の先輩社員から見た、初心を思い出させてくれる仲間としてのヒロインの姿を印象づける内容にもなっている。基本的に性格の良い人物しか登場しないという作風になっているが、主要な登場人物が学生のような仲良しグループとは異なり、プロとしての責任を背負って人間関係のトラブルにも向き合わなければならない間柄であることも意識して描かれた。一方、部分的には生々しい実体験に基づいたエピソードも盛り込んではいるが、作者の実体験では失敗した事柄を主人公たちが円満に解決する形などに改変した上で反映されており、ゲーム業界の悲惨なエピソードの暴露といった内容は避けられ、残業や休日出勤を楽しんでこなすヒロインや、キラキラとした女性社会人たちの姿を、ほのぼのとした作風で描いている。 作者の得能は本作より以前に手掛けた『こもれびの国』の反省点から、主人公にぶれのない目的を持たせ、ストーリーを成り行きではなく全体の見通しをつけてから進めるようにした。物語上のポイントのみを押さえ、後は登場人物の立場から人物を動かしていくという方針の話作りがされているものの、単行本1冊(各巻13話)ごとにすっきりとした区切のつく構成が意識して描かれている。また物語の第1話から読者によって好き嫌いの分かれるセクシャルな場面を挿入することで、今後の作風を明確にする方針を打ち出しつつ、セクシャルな場面でも下品にならない程度の匙加減が意図された。 作者の得能は影響を受けた作品として、女性ばかりの日常ものの漫画を描くことになった最初のきっかけは天野こずえによる漫画『ARIA』であったとしており、また各話のストーリーの流れは、女児向けのアニメや男児向けの特撮ヒーローものの様式美を参考にするところが多いとしている。
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