伊三次・お文の関係者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/23 07:17 UTC 版)
「髪結い伊三次捕物余話」の記事における「伊三次・お文の関係者」の解説
伊三次の身内 伊与太(いよた) 伊三次とお文の長男。絵師を目指して歌川豊光の元に修業に出る。人物画が得意。兄弟子とうまくいかないことを悩み、修業先から家に逃げ帰るが、不破家の中間として人相描きをするうちに自身の絵描きとしての生き方を見出す。 豊光の死後は、独立するには腕が足りず、かと言って新たに弟子として引き取ってくれる絵師もいなかったが、豊光の弟子で馬琴や京伝の戯作の挿し絵を任されている歌川国直が多忙を理由に手伝いとして置くことを了承し、名人の技を学んでいく。 お吉(おきち) 伊三次とお文の長女。9歳。伊与太の5歳年下。両親以外からは「きィちゃん」と呼ばれる。娘がいない伯父の十兵衛から可愛がられている。「手妻師」より、梅床で女髪結い師になるための修行を始める。 お園(おその) 伊三次の一回り年上の姉。伊三次が物心つく前に、髪結い「梅床」の主人・十兵衛に嫁いだ。実家の両親が亡くなった後、12歳の伊三次を引き取った。十兵衛との間に5人の子どもがいる。 お文の関係者 おみつ お文の身の回りの世話をする女中。15歳。よく気が付き、よく働き、少しおませなところがある。12歳の時から働いており、お文を実の姉のように慕っている。 父親は佐賀町で小さな履き物屋を営んでおり、耳が聞こえず口が利けないという障害を抱えながらも、履き物を拵える腕前は江戸随一と評判である。弟が3人いる。 「松の湯」の弥八と夫婦となり、一度の流産を経て、20歳の春に長女・おてるを出産するも、男子でないことや無職の2番目の弟・清吉が金をせびりに来ることを理由に姑にいびられ、弥八も自分をかばってくれなかったため悩みが尽きなかった。 おこな 19歳。おみつの結婚後に新たにお文の女中になった女。 茶屋(裏では私娼窟のようなことをしている)「姫だるま」の看板娘で、店主・弥兵衛の後妻。弥兵衛が店のごたごたから刃物沙汰で亡くなる。 お文が伊三次と所帯を持ってからは、別の店に女中奉公に出る。正吉といい仲になる。 その他 九兵衛(くへえ) 「時雨てよ」で伊三次の弟子になった少年。父・岩次の奉公先の魚屋「魚佐」に奉公に出ていたが、些細なことがきっかけでクビになり、伊三次の弟子に志願する。八兵衛の父・九兵衛が名付け親で、自分の名を与えた。母・お梶は、伊三次とお文の仕事が終わるまで伊予太を預かってくれる。 『今日を刻む時計』以降も変わらず通いの弟子として精進しているが、不破家では龍之進の結髪の担当である。 「あやめ供養」にて、伊三次が医師・松浦桂庵の母を殺害した犯人を見つけ出した礼に、桂庵に髪結いの台箱(道具入れ)を誂えてもらう。 魚佐の主人の末娘・おてんに見初められる。 おふさ 女中。葛飾村出身。16歳で同じ村の男に嫁ぎ、妊娠もしたが、七月で流産し、子供の産めない体になった。その後、夫の浮気相手に子供ができたため離縁した。口入れ屋の紹介で女中奉公に出、伊三次の家の女中となる。 「あだ心」で不破家の中間・松助と所帯を持ち、「かそけき月明かり」で縁あって佐登里を養子にする。
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