他社に類を見ない厳格な制度
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「ときめきメモリアルONLINE」の記事における「他社に類を見ない厳格な制度」の解説
多くのオンラインゲームでは運営会社の提示する使用規定を遵守することで個人運営のファンサイトにゲーム中のスクリーンショット(以下「SS」)を掲載することが出来たシステムが整備されているが、『ときめきメモリアルONLINE』では他社作品と比較しても非常に厳しい制約が課せられていた。 特にβ1・β2テスト期間中においては参加規約に機密保持条項が盛り込まれていたことに関連してSSもそれに抵触するとしてプレイヤーによるウェブ上掲載及び配布が全面的に禁止されており、プレイヤーらの不満を募らせる一因となっていた。また実際にβテスト期間中に他社のオンラインゲームでは全く問題無い掲載方法であったにも関わらず、コナミからアカウントの剥奪を視野に入れた警告を受けたファンサイト運営者も現れた。 こうしたファンからの不満に対し、β2テスト開幕直前の2006年1月に正式サービス開始以降のSSの使用ガイドラインを定めた「ファンサイト著作物利用規定」が制定された。しかし同時に制定された「ファンサイト応募規約」に則ってコナミに対し公認申請を提出し、審査を受け「公認ファンサイト」として承認されて初めてSSの使用権が与えられるという条項がそこには盛り込まれていた。事実上、コナミの"検閲"を受けなければファンサイトを運営することは出来ないということになり既にファンサイト運営に乗り出していた、あるいは乗り出そうとしていたプレイヤーらの不満を更に強めてしまう事になってしまった。 審査基準としていくつかのガイドラインが提示されているが例えば同じコナミの作品であっても、あるいは同じ『ときめきメモリアル』シリーズであったとしても本作以外のゲームの話題を同時に扱うことは一切出来なかった。またアップローダーなど、不特定のユーザーがデータや文章をアップロードできる環境を設置することもガイドライン違反とされた。また公式サイトのトップページ以外へのリンクもガイドライン違反とされ、情報サイトのニュース記事などにおいても当該記事に直接リンクすることは出来なかった。更に攻略情報などのゲーム中のデータ記事も、公認申請が受理されるまでは掲載出来ないとしていた。 当初ファンサイト運営者はこぞって公認申請を提出したが以上の理由により当時運営されていた大規模な情報サイト・攻略サイトなどはほとんどが不合格となり、正式サービス開始と同時に公認を受けることができたのは主に個人のブログなどを中心とした20サイトにとどまった。公認が下りなかったサイトは全面的に改修を行い公認基準を満たして再申請を行うか、あるいは非公認のままでの運営を行う代わりにSSの使用を断念するかの選択を迫られることになる。このため公認基準や上記のゲーム内容自体への不満からサイトを閉鎖し、ゲームそのものからも手を引いてしまったところも現れた。更に、非公認で運営を続けていたとある大規模攻略情報サイトがコナミより閉鎖命令を受けるという事件も発生してしまった。 その一方で、公認を受けることができたファンサイトに関しても運営を続ける限りは半永久的にその厳しい規定に服従しなければならなくなった。例えばコナミは公認サイトのリンク先に規定違反があった場合にも公認を取り消す可能性があるという見解を明らかにしており、事実上公認ファンサイトと非公認ファンサイトの表立った相互交流は認められないとしていた。 また公認ファンサイト規定ではパスワードロックをかけたメンバー専用ページの設置を禁止しており、例えばクラス・グループ内での部外秘の打ち合わせをしたい場合でもクローズドな掲示板やチャットルームを使用出来ないため結果的に外部の会員制SNSなどへのコミュニティの流出を促進してしまっているのではないかという見方もあった。そのため運営者でありコミュニティゲームを自ら謳った筈のコナミ自身が、ユーザーコミュニティの幅を狭めているのではないかとの声が根強かった。 公認ファンサイトは順次追加の認定が行われ2007年6月21日時点で合計145サイトとなったが、本作のゲームそのものの閉塞感を反映するように更新や活動が停滞しているサイトや放棄されてしまったサイトもまた多かった。 また2007年8月1日以後のサービス終了後のSSの扱いについては2007年12月31日16時以降使用不可とするとの通知が各公認ファンサイトの管理者に届けられ、最後まで厳しい規制が緩和される事は無かった。
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