他学部との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/13 14:53 UTC 版)
外国語学部は、その学際的性質から他学部と混同されやすい。 国際関係学部 & 文学部 & 観光学部 & 教養学部 など 前述の通り、上記学部とは専門領域として扱うテーマや、そのアプローチ方法 (学際系リベラル・アーツ) が類似している。しかし、外国語学部が「的確な言語運用能力を学びの土台」としているのに対し、他学部は「諸理論や研究方法に重点を置いている」点において、根本的な目的が異なると言ってもよい。外国語学部が「実用語学のエキスパート」として「豊かな教養に裏打ちされた語学力」を目指し各専門領域を学ぶのに対し、他学部は「実用語学は、あくまで専門分野をより深く理解するための1要素」と位置付けている。 国際基督教大学 (ICU)の様な英語教育が非常に充実している教養学部との比較においても同様であり、ICUにおける英語教育 (ELA : English for Liberal Arts Program) は高等教育機関における学びを英語で行える様になることを目的とした物で、特に読み書き (論文読解・作成) に重点が置かれ、主に1年次に集中して行われる。一方、上智大学・獨協大学の外国語学部英語学科では、グローバルビジネスなども含めた、世界のあらゆる場所で活用できる、より総合的な卓越した英語力の習得を目指している。「受動的言語活動 (Listening・Reading)」「産出的言語活動 (Speaking・Writing)」を基礎に、「相互行為活動」「仲介活動」などの応用訓練までが、4年間を通じて徹底して行われる。 国際教養学部 2000年代半ば以降、国際教養大学を始め、多くの大学が、一般の学生を対象に英語のみで行われるリベラル・アーツ系学部を乱立させている。実用英語を重視するという点で「外国語学部英語学科」と比較されやすいが、「外国語学部の教育は、日本語(母語)運用能力を基盤に行われ、日本語による高度な学びの機会も提供される」点で異なる。 外国語学部では、実用語学のエキスパートとして、「豊かな教養・深い思考力」を身に付けることも目的としており、日本語での教育・日本語能力 (母語) の養成も重視されている。 言語処理と思考は互いに干渉しあい、習熟レベルが十分でない外国語を使う際は、認知能力が低下する。 (外国語副作用)その為、英語が学習言語 (CALP) として習熟していなければ、英語で学んでも効率的な知識の習得や、思考力の強化は期待できない。一方、母語で学んだ思考や概念を外国語に転移することは可能である。また、それにより、成人でも母語で培った言語力を土台にして、自由に外国語を運用する能力を獲得することも可能である。翻訳・通訳に関する教育・研究も、国際教養学部ではなく、外国語学部で行われる。 もともと英語のみで教育を行う高等教育機関は、上智大学国際部 (現・国際教養学部) が、米国の外交官や軍関係者の子女など、日本在住の英語母語話者に対して、英語による高等教育の機会を提供したのが始まりだった。
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