他の事柄との関連
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/13 10:36 UTC 版)
「2012年人類滅亡説」の記事における「他の事柄との関連」の解説
この年の5月20日(日本時間では5月21日)に最大規模と呼ばれる金環食が起こり、この時太陽・地球・月、さらにこれに加えプレアデス星団までが正確に地球と一直線に並ぶという天文学的に稀な現象が発生すると主張する者もおり、その日が12月22日の滅亡に向かう契機と解釈するものもいた。なお、この金環食は特に長時間継続するような特別なものではなく、日本では九州・四国・本州の太平洋岸を通過し、それらの地域で、一部は雲に阻まれたものの早朝に中心食を見ることができたが、異常事態と見られる現象は報告されていない。 また、12月21日から22日ごろの冬至の日には、地球から見て銀河系の中心とされるいて座と太陽の位置がほぼ重なってみえる(いて座・太陽・地球が大体一直線に並ぶ)。地球からみた太陽の通り道である黄道がいて座の銀河中心付近を通過するのは全くの偶然であるが、地球 - 太陽 - 銀河中心 の順で一直線に並ぶのは毎年1回起こるので、珍しいことではない。しかし「地球の自転軸である地軸の傾く方向」に太陽と銀河中心が重なる位置関係になるのは、以下説明するように約13,000年に1回であり、こちらは珍しい現象であると言える。地軸は黄道面に対し約23.4度傾いており、傾いたまま太陽の周りを公転するため、1年に2回地軸の南半球側と北半球側の傾きが交互に太陽に向く。北半球ではこれが夏至と冬至の日に当たる。天文学では冬至点より90度東にずれた春分点が天球上の黄道と赤道の交差点になるため、ここを座標の起点としている。一方で地軸は約26,000年という長周期で首振り運動しており、歳差現象と呼ばれる。歳差運動により春分点や冬至点も同じ周期で黄道上を移動し、現代は冬至点がちょうどいて座の銀河中心付近にある。従って現代の冬至には単に 地球 - 太陽 - 銀河中心 ではなく、地軸の傾く方向(南半球側)- 太陽 - 銀河中心 がほぼ並ぶことになる。また歳差運動により約13,000年後はいて座が夏至点に移動するため、今度は、地軸の傾く方向(北半球側)- 太陽 - 銀河中心 がほぼ並ぶ。歳差運動による春分点の移動は角度にして毎年約0.8分( = 約0.014度 = 約360/26,000度)というゆっくりとしたものなので、実際には2012年を含む数百年間は冬至点が銀河中心近くにあり、2012年だけが特別ではない。マヤの長期暦の終了と密接に関係しているという主張があるが、地軸が太陽や銀河中心から物理的な影響を受けているとすればかなり前から何からの現象が見られるはずであり、2012年に突然何かが起こるとは考えにくいとみられていた。 ほかに太陽活動の極大期が2012年ごろに当たっており太陽嵐が発生する可能性があることから、ギルバートのようにこれと関連付ける論者もいる。だが、これについては1957年にほぼ同程度の活動があった時も特に人類滅亡には繋がらなかったとする反論が寄せられている。それに対して地球の磁気圏で見つかった巨大な穴により、今回は大きな被害に結びつくと指摘するものもいる。さらに、フォトンベルトや惑星ニビルと関連付けるものやベテルギウスの大爆発が起きるという説もあった。 また、1999年に向けたブームと同様に、年代の明記されていない予言を2012年と結び付けようとする者たちもいた。例えばホピ族は独特の予言体系をもっていることで知られるが、終末論的な伝承を2012年と結び付けようとする動きがホピ族の一部にもあったという。しかし、こうした結び付け方については学習研究社のオカルト雑誌『ムー』の記事で否定的見解を持って取り上げられた。ほかに聖書、クルアーン、ミドラーシュ、易経などと関連付ける論者もいた模様である。 なお21世紀に予言者を自称する者には人類の8割が滅亡する時期を2043年におくジュセリーノ・ダ・ルース、2012年に特に言及のないまま西暦3000年までの予言をしているジョー・マクモニーグルのように2012年に人類が滅亡するという立場と一致しない予言をする者もいた。
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