仕事に関する挿話
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 09:08 UTC 版)
初任地の佐賀局では、豊原自身がモータースポーツ好きだったこともあり、ロードレース世界選手権 (MotoGP) に参戦していた佐賀出身の眞子智実の長期取材を続け、最終的に一本の番組になったことがその後の自信につながった。一方で、高校野球の地方大会(秋季大会)で初めてラジオ実況を担当した際には、マウンドでピッチャーが屈伸をしたとき、「屈伸」という言葉が出て来ずに「ピッチャーが懸垂しました!」と言ってしまうなど失敗も数多くあったという。 2011年から4年10ヶ月在籍した仙台局では地元の東北楽天ゴールデンイーグルス戦の実況を多く担当。楽天が日本一になった2013年の日本シリーズでは第2戦(BS1)・第6戦(ラジオ第1)で実況を担当した。後述のラグビーワールドカップ2015への現地派遣も、ペナントレース終盤戦にさしかかっていたため、同年の楽天の成績如何では派遣が見送られていたかもしれないと述懐している。 2015年にイングランドで開かれたラグビーワールドカップ2015では1次リーググループBの日本代表戦のうち、ブライトン・コミュニティー・スタジアムで行われた南アフリカ代表戦(現地解説は薫田真広、BS1で生中継)と、ミルトン・キーンズ・スタジアム:mkで行われたサモア代表戦(現地解説は砂村光信)の2試合の実況を担当。後に「世紀の番狂わせ」と称される南アフリカとの試合について、豊原は芝の状態と南アフリカのメンバーリストを見て試合前の時点で善戦を予想。試合終了直前には、日本のカーン・ヘスケスが逆転トライを決めた場面で「行けー! 行けー! トラーイ! ニッポン、ニッポン! 逆転!」と絶叫した後、35秒間無言を貫き、歓声と歓喜の映像に身を任せきった。トライ後に沈黙を選択したのは、「何かを喋ったら堪えていたものが決壊するな」という実感に加えて、スポーツアナウンサーの先輩である山本浩の「テレビは映像のメディア。映像にパワーがあるときは、どんなコメントもそのパワーには勝てない」という言葉を思い出したからだという。なお、このときの「絶叫」と「沈黙」は、後に五郎丸歩に「あの南アフリカ戦の最後のトライで2分黙っておられましたが…(自分は)もうちょっと長い時間黙っておこうかなと」といじられるなど、語り草になっている。 2016年リオデジャネイロオリンピックではジャパンコンソーシアムの一員として派遣され、柔道などを担当。男子柔道100キロ超級決勝・テディ・リネール(フランス)対原沢久喜(日本)の試合では、指導の差を守って逃げ切りを図るべく組み合わない柔道を続けるリネールに対し「組んで投げる。そのルール改正の集大成の試合になります」「技による攻防が見たい!」と叫び、そのまま試合が終了してリネールの勝利が決まると「原沢、柔道をさせてもらえませんでした」「救われた思いがするのは、ブラジルのファンが原沢の健闘をたたえてくれたことです」と観戦者の気持ちを代弁するかのような感情的なコメントを発した。 2019年に日本で開催されたラグビーワールドカップ2019でも1次リーググループAの日本代表対アイルランド代表戦(静岡エコパスタジアム、総合で生中継)の実況を担当。試合終了直後に「日本、前回大会南アフリカに続いて、2回めのジャイアントキリング!! もうこれは、奇跡とは言わせない!!」とコメントして話題となった。また、同大会の準々決勝・日本代表対南アフリカ代表戦(東京スタジアム)ではスタジオパートの進行を担当し、日本の敗退が決まった試合終了後に「私たちはあえてプラスの意味をもってお伝えしたいのですが」と前置きした上で「(ラグビーの)“にわかファン”と呼ばれる人たちが、本当にこれだけ生まれた。これはまた本当に大きなことですよね」と発言、特設スタジオにいた五郎丸も同調したほか、多くの共感を得た。なお、この「にわかファン」という言葉は、2019年の新語・流行語大賞ノミネート30語の一つに選ばれている。
※この「仕事に関する挿話」の解説は、「豊原謙二郎」の解説の一部です。
「仕事に関する挿話」を含む「豊原謙二郎」の記事については、「豊原謙二郎」の概要を参照ください。
- 仕事に関する挿話のページへのリンク