介護労働安定センター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/12 06:16 UTC 版)
「介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律」の記事における「介護労働安定センター」の解説
厚生労働大臣は、介護労働者の福祉の増進を図ることを目的とする一般社団法人又は一般財団法人であって、第17条に規定する業務に関し次に掲げる基準に適合すると認められるものを、その申請により、全国に一を限って、同条に規定する業務を行う者(介護労働安定センター)として指定することができる(第15条)。法施行時より現在に至るまで東京都荒川区の「公益財団法人介護労働安定センター」(Care Work Foundation(CWF))が指定を受けていて、CWFは全都道府県に支部を設けている。 職員、業務の方法その他の事項についての業務の実施に関する計画が適正なものであり、かつ、その計画を確実に遂行するに足りる経理的及び技術的な基礎を有すると認められること。 前号に定めるもののほか、業務の運営が適正かつ確実に行われ、介護労働者の福祉の増進に資すると認められること。 日本における急速な高齢化の進展等に伴う介護労働力への需要の増大に対処するため、介護労働者の雇用管理の改善、能力の開発及び向上その他の介護労働者の福祉の増進を図ることが必要となっている。このため、事業主に対する相談・援助、給付金の支給、介護労働者に対する教育訓練、職業紹介事業者等に関する情報の提供等の業務を行う必要があるが、これらの業務については、雇用管理の改善は本来企業経営や労使関係に直接関わる問題であること、介護関係業務が直接人の生命・身体を扱うという性質上専門的な知識を持った者が行う必要があること等から、国が直接行うよりはむしろ介護労働者の雇用管理の改善等に関する専門的知識・経験を持った民間団体により専門的、弾力的にきめ細かく対応していくことが適当であると考えられるため、そのような団体に相談その他の援助、給付金の支給等の業務を行わせることとしたものであること(平成12年4月1日職発第169号/能発第72号)。 介護労働安定センターは、次に掲げる業務を行うものとする(第17条)。 介護労働者の雇用及び福祉に関する情報及び資料を総合的に収集し、並びに事業主、職業紹介事業者その他の関係者に対して提供すること。 職業紹介事業者の行う職業紹介事業に係る介護労働者に対して、その者が賃金の支払を受けることが困難となった場合の保護その他のその職業生活の安定を図るために必要な援助を行うこと。 第18条1項に規定する業務(雇用安定事業・能力開発事業の一部)を行うこと。 前三号に掲げるもののほか、介護労働者の福祉の増進を図るために必要な業務を行うこと 介護労働安定センターには、給付金関係業務等を通じて介護分野の事業主の労働需要に関する情報が集積されることとなるので、事業主の了解を得た上で職業安定機関に当該情報を提供し、職業安定機関における求人開拓に活用すること等が可能となる。また、職業安定機関は、求人開拓等を通じて介護分野の事業主であって給付金を活用できると思われるものを把握することもあるので、事業主に対して周知等を積極的に行うほか、介護労働安定センター都道府県支部への相談を勧奨すること等が可能となる。このため、職業安定機関と介護労働安定センター都道府県支部との間で実効ある連携を図ること(平成12年4月1日職発第169号/能発第72号)。 介護労働安定センターの役員の選任及び解任は、厚生労働大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない(第25条1項)。給付金業務に従事する介護労働安定センターの役員及び職員は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす(第26条)。厚生労働大臣は、第17条に規定する業務の適正な運営を確保するために必要な限度において、介護労働安定センターに対し、同条に規定する業務若しくは資産の状況に関し必要な報告をさせ、又は所属の職員に、介護労働安定センターの事務所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができ(第27条1項)、この立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない(第27条3項)。
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