人口史と今後の予測
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 13:22 UTC 版)
人類の進化史において、人類の総数は疫病や気候寒冷化による一時的減少はあったものの、21世紀初頭まで総じて増加してきた。国連や米国ワシントン大学の推定によると、西暦1年は3億人、1500年は5億人だったとされる。食料生産技術や医学、公衆衛生の発達が遅れていた時代は餓死や病死も多く、人口増加ペースは緩やかだった。 18世紀の産業革命以降に世界人口の増加ペースが速くなり、1800年には10億人程度に達した。そして、20世紀に人類は人口爆発と呼ばれる人類史上最大の人口増加を経験した。国連の推定では19世紀末の1900年におよそ16億人だった世界人口は20世紀半ばの1950年におよそ25億人となり、20世紀末の1998年にはおよそ60億人にまで急増した。特に第二次世界大戦後の増加が著しい。 現在の人口は、過去6000年間に存在した全ての人口のおおよそ5分の1にあたる。米国PRB(Population Reference Bureau)(英語版)の研究によれば、人類史上これまで約20万年間に存在した総人口の7%近くを現在(2022年)の世界人口が占めている。 世界人口の予測は非常に困難であり出生率の変化などによって変動も大きいため、国連の予測も断続的に修正されてきている。国連は2年おきに最新の推計値である『世界人口展望』(World Population Prospects)を発表しており、その2010年改訂版 では、21世紀半ばの2050年までに90億人を突破、その後は増加のペースが鈍化していくものの21世紀末までに100億人を突破するだろう(中位値)と予測している。 さらに2013年に国連が発表した『世界人口展望』2012年改訂版では前回の予測値より増加傾向にあり、中位値として2025年に約81億人、2050年に約96億人、2100年には約109億人に達するとの予測がされている。 一方、近年先進国や一人っ子政策を行ってきた中華人民共和国のみならず、東南アジア諸国やインド、バングラデシュ、トルコ、中南米諸国などの中進国、発展途上国においても出生率の低下が急速に進行しており、世界全体の人口減少は以前よりも早く訪れるとする予測が出始めている。 米国ワシントン大学の保健指標評価研究所が2020年7月に発表した研究(英医学誌『ランセット』掲載)によると、世界での平均出生率は低下しつつあり、2017年時点で2.4から、2100年までに1.7以下になると予測。これにより世界人口は2064年ごろに約97億人でピークに達した後、21世紀末までに約88億人に減少すると予測している。加えて日本や韓国、イタリア、スペインなど計23か国では、同世紀末の人口が2017年時点との比較で半数以下になると予測されている。アジアも2055年に人口が減少へ転じ、21世紀後半も人口爆発が継続するのはアフリカ大陸のみと予測されている。 以下の表は、国連などにおけるおおよその人口推定および推計値である。世界人口が50億人に到達したと推計される1987年7月11日を記念して、国連人口基金ではこの日を「世界人口デー」と1989年に制定している。 世界人口の推定値年人口2022 80億人 2011 70億人 1998 60億人 1987 50億人 1974 40億人 1961 30億人 1927 20億人 1802 10億人
※この「人口史と今後の予測」の解説は、「世界人口」の解説の一部です。
「人口史と今後の予測」を含む「世界人口」の記事については、「世界人口」の概要を参照ください。
- 人口史と今後の予測のページへのリンク