不透明な報酬の管理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/28 16:06 UTC 版)
「バーティ・アハーン」の記事における「不透明な報酬の管理」の解説
アハーンはマーン法廷から、当時首相だったホーヒーに対して使途を確認することなく白紙小切手に署名したことを糾弾された。アハーンは法廷で、白紙小切手に署名したことは「運営上の便宜」のために共和党党首名義の預金口座に使われたと発言した。また2006年9月に『アイリッシュ・タイムズ』紙はマーン法廷から不正に漏洩された、アハーンが1993年に財務相に在任していたときにある実業家から金銭を受け取ったとする内容の情報を掲載した。 『アイリッシュ・タイムズ』は、『サンデー・ビジネス・ポスト』に対して漏洩文書の発行を差し止めた最高裁判所の判断に賛同しないと表明し、マーン法廷での尋問は世間が関心を持つものであるとして発行を弁護した。この最高裁判所の命令は『サンデー・ビジネス・ポスト』に対して下されたものだが、この仮命令は審理で得られた信頼できる情報の公表をすべてのメディアに対して差し止めたものであった。 アハーンは金銭を受け取ったことを認めたが、インタビューで次のように発言している。 私が個人的にもらったものは、はっきり言わせてもらうと、きみには関係のないことだろう。私がだれかからプレゼント、あるいはそのようなものとしてなにかを受け取ったのならば、私はそれを使ってもかまわないのだからね。 しかしながらアハーンは野党時代の1996年に、次のように発言している。 国民は自ら選出した議員や役人、そしてとくに大臣が資金に関してきれいであるという絶対的な保証を持つ権利を持っているのです。こういった公人は誰に対しても金銭上の債務を負わないのだと認識している必要があります。 『アイリッシュ・インデペンデント』と『アイリッシュ・タイムズ』はこの2つの発言の矛盾を社説で批判している。 この資金のやり取りが発覚してから6日後、アハーンは1993年と1994年に合計で39,000アイルランド・ポンドを受け取っていたことをテレビのインタビューで認めた。アハーンはこの資金を当初は借入金としていたが、インタビューを受けたときには返済も利息の支払もしていなかった。これについてアハーンは受け取った資金を返還しようとしたが、友人が受け取ろうとしなかったのだと述べた。そのうえでアハーンは政治倫理上でも、税制上でも、そのほかの法令においてもなんら間違いを犯していないと主張した。 しかしながら2007年11月28日にNCBグループ最高経営責任者のパドレイク・オコナーはマーン法廷において、古くからの友人が貸付を行なったのは1993年のクリスマス以降のことだとする主張を真っ向から否定した。 さらにこのテレビ向けインタビューでアハーンはマンチェスターの企業経営者25人から8,000ポンド・スターリングを受け取ったことを認めた。これについてアハーンは求めてもいないのに受け取らされた献金であり、国外で受け取ったものである以上は非課税だと主張し、また会食後にスピーチを行なったことに対して支払われたものだとした。さらにアハーンは私人としてで受け取ったものあって、財務相として贈られたものではないとし、またこのほかの会合の場では一切の金銭を受け取っていないと述べた。これに対して2006年9月30日付の『アイリッシュ・タイムズ』の記事では、この金銭のやり取りの一部は、実際にはアイルランドの大手投資銀行であるNCBストック・ブローカーズ宛の小切手であったと報じた。またアハーンの支持者の多くが国の機関の役員となっていた。見返りを求めたり受け取ったりしていないとしつつ、アハーンは次のように述べている。 私はいろんな人に役職についてもらったが、それは彼らが友人だからであって、彼らが私になにかをくれたからではない。 公職基準委員会の規定では以下のようになっている。 国は当該人物の能力、適性、経験を考慮し、その利益に基いて役職に任じるものとする。 またドイルの議員の行動については次のように規定している。 議員は行動規範の規定と理念に従って行動し、またその行動は自らの役職や議院の信用を失墜せしめることがないようにしなければならない。 しかしながら世論の厳しい評価に直面し、アハーンは 5% の利息をつけた計90,000ユーロを返却した。 2006年10月3日、アハーンはドイルにおいて15分間の演説を行い、アイルランド国内の友人から受けた計39,000アイルランド・ポンドの借入と、1993年と1994年にマンチェスターで企業経営者から受け取った8,000ポンド・スターリングについて釈明した。このなかでアハーンは自らがもたらした問題について次のように述べて謝罪した。 昨今の問題が発覚し、世間の皆様にご心配をおかけしてしまっていることは私自身と、私に近く親しい方々にとって不徳のいたすところであります。私の友人たち、アイルランド国民、そして本院に私の謝罪の気持ちを申し述べます。
※この「不透明な報酬の管理」の解説は、「バーティ・アハーン」の解説の一部です。
「不透明な報酬の管理」を含む「バーティ・アハーン」の記事については、「バーティ・アハーン」の概要を参照ください。
- 不透明な報酬の管理のページへのリンク