不透明な資金
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 17:18 UTC 版)
第二次世界大戦終戦時の混乱期に、大量の貴金属地金やダイヤモンドなどの宝石類を含む軍需物資が、保管されていた日本銀行の地下金庫から秘密裏に横流しされていた隠退蔵物資事件や、件の日銀地下金庫にGHQのマーカット少将指揮の部隊が調査・押収に訪れた際に、彼らによる隠匿があったとされた事件などが発生した。 GHQの管理下に置かれた押収資産は、戦後復興・賠償にほぼ費やされたとされるが、資金の流れには不透明な部分があり、これが“M資金”に関する噂の根拠となった。他には、終戦直前に旧日本軍が東京湾の越中島海底に隠匿していた、大量の貴金属地金 が1946年4月6日に米軍によって発見された事件や、終戦直後に各種の軍需物資が隠匿され、闇市を通じて流出していた時期の鮮明な記憶が噂の真実味を醸し出していた。 また、戦後のGHQ統治下で構築された、いくつかの秘密資金が組み合わされたものが現在の“M資金”の実態であると主張する意見 もある。それによれば、M資金・四谷資金・キーナン資金・その他 の、GHQの活動を通じて形成された資金を統合したものが“M資金”であり、その運用は日本政府の一部の人々によって行われ、幾多の国家的転機に際して利用されてきたという。流れの不透明な資金には、他にG資金 とX資金 がある。さらには蓄積円というものまで存在した。1980年には笹川良一が資金提供して日本海洋開発が日本海で旧ロシアの軍艦アドミラル・ナヒモフの調査を実施し、金属のインゴットが引き上げられたと報じられたことがあった。
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