不透明な経緯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/20 09:06 UTC 版)
「卑弥呼の庄」を巡る土地売買トラブルは、当時の桜井市議会の懸案事項となった。「大和さくらい」へ土地を売却する際には議員から反対の声があったにも関わらず、市長がオープン直前の2009年12月に市長権限で株式会社ファームを連帯保証人から外したという経緯があり、市みずからがファームに支払いを求める道を閉ざしていた。そのファームも、事実上連帯保証人としての効力は疑問視されていた。市への支払いも2億円を5回に分割して納付するという異常な契約で、議会や新聞では谷奥市長の責任を問う声が上がった。「大和さくらい」は、この土地売買代金の2億円とは別に桜井市に対して1億8000万円の寄附を分割で行うという申し出をしていたが、こちらも実際には市に寄付されることはなかった。この寄付金の1億8000万円は、土地の購入価格の補填金とされ、合計の3億8000万円が市の希望売却価格であった。しかしその価格では本社のファームの決済が下りないため2億円の購入代金と1億8000万円の寄付という形に分割された。寄付とは本来任意のものであり、なぜそのような不明瞭な形で契約したのか、議会では契約に携わった関係者の責任が問う声もあった。奈良日日新聞は、市が業者側の常軌を逸脱した要求を鵜呑みにしたことが問題であるとして、谷奥桜井市政を批判した。 市は周辺地の地権者の説得にも関与しており、「大和さくらい」との土地売買契約に応じるように市職員が促してきた経緯もあった。結果的に市は周辺地権者を無用のトラブルに巻き込むこととなった。塩付けの土地に民間を巻き込んだ新たな負債を加えてしまった谷奥市長は、2011年11月の市長選挙で元奈良県議の松井正剛に2倍以上得票数差で惨敗し、1期のみで市政から去った。
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