不正手形事件発覚とは? わかりやすく解説

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不正手形事件発覚

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 13:55 UTC 版)

九州電気軌道」の記事における「不正手形事件発覚」の解説

九州電気軌道不正手形事件」も参照 九州電気軌道経営九州水力電気掌握した直後両社経営揺るがしかねない事件発生した九州電気軌道不正手形事件発覚である。 事件発覚端緒は前社長松本枩蔵告白であった松本前述通り1930年10月8日社長退任したが、その3日後の10月11日福岡県知事松本学通じて九州水力電気社長麻生太吉対し自身が行ってきた手形の不正発行について告白したのである告白により松本専務就任以来10年間にわたって社印社長印を不当に持ち出し不正に社名手形振り出していた事態明るみ出た松本が不正手形で得た資金は、書画骨董収集社交界での浪費義兄松方幸次郎への支援などで私的に消費されたほか、株価高値維持し会社資金調達円滑にするための自社株購入にも充てられたとされる。この時点で不正手発行高は2,250万円達していた。 松本九州水力電気への自社株売却応じたのは、その売却益償還期限の迫る不正手形をひそかに償還するためであった。しかし取得した九州水力電気社債2,500万円世界恐慌によって価格暴落してしまい、その計画破綻してしまった。こうして麻生状況告白する至ったであった松本告白に対して麻生は、不正の露見により経済界さらなる混乱を招くのを防ぐべく大蔵大臣井上準之助協力取り付け、この件を内密に処理し事後社内外公表するという対応策決めた。 不正手形2,250万円基本的に松本からの私財提供で償還できる金額であったが、その私財大部分占め九州電気軌道社債などの有価証券はすでに松本個人債務約1,900万円担保となっていたため、まずはこの個人債務返済する必要があった。解決策として、九州電気軌道はまず政府意向受けた日本興業銀行から2,400万円融資を受け松本個人債務返済し九州水力電気社債収受する、次いで九州水力電気同じく日本興業銀行から1,500万円融資を受け前記社債償還する最後に九州電気軌道九州水力電気から受け取った資金で不正手形を決済する、という手続きが採られた。 不正手形の処理専務となったばかりの村上巧児奔走し、翌1931年6月2日全手形の回収完了した事件の顛末6月11日付の重役会において初め社内公表され25日新聞報道および27日株主総会において社外にも伝えられた。事件の責任をとって旧経営陣辞職し九州電気軌道役員はすべて九州水力電気系の人物となった

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不正手形事件発覚

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 14:23 UTC 版)

松本枩蔵」の記事における「不正手形事件発覚」の解説

詳細は「九州電気軌道不正手形事件」を参照 九州電気軌道1935年昭和10年)に出版した社史躍進九軌回顧』によると、経営陣交代した直後1930年10月11日夜、取締役となったばかりの麻生太吉福岡県知事松本学から至急電報呼び出され、翌12日朝に大阪出向くと、松本知事から前社長松本枩蔵による長年にわたる社名手形の不正発行打ち明けられた。そして大阪空堀自邸戻っていた枩面会し本人からも事件告白されたという。九州電気軌道不正手形事件発覚である。 会社調査結果、枩過去10年間にわたって社印社長印を不正に持ち出して関西中心に振り出していた社名手形合計2,250万円及んでおり、支払期日早いもので10月16日迫っていることが判明したという。枩はこれら期限が迫る不正手形の償還を、株式譲渡得た九州水力電気社債売却益をもって秘密裏に行う予定であったが、世界恐慌による社債価格暴落でその計画破綻したために松本知事事態告白したとされる。枩が持つ九州水力電気九州電気軌道両社債やその他の株式預金大阪神戸などの地所書画骨董品生命保険といった私財会社がつけた資産評価額は3,757万円)は九州電気軌道引き渡され社債株式担保として枩借り入れていた個人債務約1,900万円会社によって不正手とともに返済された。 枩が不正手形の発行手を染めたのは、書画骨董品蒐集社交界での浪費義兄松方幸次郎金融支援などに充てる資金を得るためであり、また会社資金調達円滑にするための株価高値維持操作株式積極的な買収)が目的であった指摘されている。不正手形の回収完了した1931年昭和6年6月九州電気軌道は不正手事件一般に公表。さらに不正手発行以外にも枩ら旧経営陣長年にわたり業績水増しし、その上負債への利払いに回すべき資金配当充てるといういわゆるタコ配当続けていたとも発表した1931年7月10日株主一人横領罪背任罪で枩福岡地方裁判所小倉支部検事局告訴した。翌1932年昭和7年)夏、枩脳溢血倒れ半身不随となり東京病院入院するこうした病状と、枩会社事後処理協力していたのを鑑み検事局1933年昭和8年5月22日、枩起訴猶予処分とした。

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