三大天使とは? わかりやすく解説

大天使

(三大天使 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/09 02:57 UTC 版)

大天使、ミカエル

大天使(だいてんし、ヘブライ語: המלאךギリシア語: αρχάγγελοςラテン語: Archangelusアラビア語: رئيس الملائكة: Архангел: Archangel)は、アブラハムの宗教ユダヤ教キリスト教イスラム教)の神話に登場する「天使」の階級の一つ。ギリシア語で「使者の長」「卓越した使者」を意味し、以下に述べるように大きく分けて2通りの意味があるが、両者はしばしば混用される。英名はアークエンジェル

概要

ユダヤ教正典である『タナハ旧約聖書)』には天使が登場するが、明確に「大天使」を表す語句は出てこない。だが、その天使のうちの何体かは、ラビ・ユダヤ教に於いてその役割や性格が強調・発展され、天使の中でも神意を体現する偉大な天使という意味で大天使と呼ばれるようになった。しかし、厳密な位階が定義されているわけではなく、例えば神の御前の特別な居場所を持つ天使は大抵は大天使と解釈され、数も文献によって四人、六人、七人と一定していない。ゾロアスター教アムシャ・スプンタやユダヤ教・キリスト教の四大天使と七大天使イスラム教の四大天使は、この伝統を受け継いでいる。

一方、ラビ教学の発展とカッバーラーの流行により、中世初期にはベン・マイモーン偽ディオニシウスがそれぞれに天使の位階を定めた。前者はユダヤ教に浸透した教説だが、位階としての大天使は定義されていない(近世に黄金の夜明け団が10の位階それぞれに統括者としての大天使を1体ずつ置いている)。後者は後にキリスト教社会に広く浸透した教説で、大天使は天使九位階の八位に当たる位階として取り入れられている。この意味での大天使は二枚の翼を持ち、助祭のような姿をしてと人間を結ぶ連絡係を務める一方で、天使軍の兵士として槍を持ち群をなして地獄との戦いの任に就く。

ミカエルガブリエルラファエルの三大天使、更にウリエルを含めた四大天使、あるいは七大天使が登場する(サリエルラグエルレミエルザドキエルヨフィエルハニエルカマエルなど)。ヘブライ語の大天使(ハ=マルアハ)は基本的にはミカエルのみを指している。

キリスト教における大天使

多くのキリスト教教派では『ダニエル書』に於いて天使の長と言及され『ヨハネの黙示録』で天使の軍を率いるミカエルと、『ダニエル書』で預言者ダニエルが見た幻視を説明し『新約聖書』で洗礼者ヨハネの誕生をザカリアに、イエス・キリストの受胎をマリアに知らせたガブリエル二大天使に崇敬が広く集まっている。

それらに「トビト記」に登場するラファエルを加えた三大天使、さらに外典に登場するウリエルを合わせた四大天使、その上に三体の天使を足した七大天使に言及されることもあるが、これらは教派により聖書正典の扱いが違うため、大きく異なっている。また、多くの教派でミカエルを筆頭とした大天使らの祝祭日 (Michaelmas) が設けられている。

  • 東方正教会 - ミハイル(ミカエル)、ガウリイル(ガブリエル)の二大天使を中心とした七大天使が広く崇敬を集めている。「七大天使」の項を参照。
  • カトリック教会 - ミカエル、ガブリエル、ラファエルを三大天使として崇敬している。ウリエルは教皇グレゴリウス1世の時代(6世紀末)には大天使に加えられていたが、ザカリアス(8世紀中頃)の時代に見直しが行われ、正典外の天使として崇敬対象から外れている。
  • プロテスタント - 唯一の神のみを信仰するプロテスタント教会は天使を崇敬しない。

イスラム教における大天使

イスラム教のコーランの中では、天啓の天使ジブリール(ガブリエル)と戦士の天使ミーカーイール(ミカエル)の名前が出てくる。特にジブリールは、神の知恵と啓示を管理し、預言者ムハンマド(マホメット)にコーランを口頭で伝えた天使として、突出した存在である。

更にハディースに登場し最後の審判のラッパを吹くイスラーフィール(ラファエル)と、コーランには「死の天使」の名で登場するアズラーイール(アズラエル)を含めて四大天使と称される。アラビア語の大天使(ライース・ル=マラーイカ、アル=マラーイカティ)は基本的にはミーカーイールを指す。

参考文献

  • A Dictionary of Angels: Including the Fallen Angels. Davidson, Gustav.Free Press. ISBN 0-02-907052-X
  • ANGELS: Heavenly Messengers.Bussagli,Marco.Harry N Abrams.ISBN 978-0810994362
  • ローズマリー・エレン・グイリー(著)大出健(訳)『図説 天使百科事典』原書房(2006年) ISBN 4562039795
  • ジョン・ロナー(著)鏡リュウジ/宇佐和通(訳)『天使の事典-バビロニアから現代まで』柏書房(1994) ISBN 4-7601-1133-6

関連項目


三大天使

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 00:40 UTC 版)

デジモンフロンティア」の記事における「三大天使」の解説

ケルビモン 声 - 大友龍三郎 デジタルワールド治める三大天使デジモン1人で、道と知識司る究極体伝説の十闘士眠り就いた後、「土」・「木」・「」・「鋼」・「闇」5つスピリット保管していた。 元々純白の姿で正義感の強い性格だったが、ビースト族の彼は、ヒューマン族のセラフィモンオファニモン意見違えることが多く次第に不満を募らせていった。そんな心の隙をルーチェモンつけこまれ邪悪な姿と性格になってしまい、デジタルワールドデータと十闘士スピリット集め征服しようとした。しかし拓也たちとの戦いで正気取り戻し一度カイゼルグレイモンマグナガルルモン敗れてデジタマ戻った後にロップモンとして生まれ変わる必殺技は「ライトニングスピア」「ヘブンズジャッジメント」パワーアップ時は「サウザンドスピア」「ファイナルジャッジメント」。 オファニモン 声 - 深見梨加 デジタルワールド治める三大天使デジモン1人で、愛と生命司る究極体伝説の十闘士眠り就いた後、「炎」・「氷」・「雷」3つのスピリット保管していた。 人間界にいた拓也達にメール送ってデジタルワールド導いた張本人であり、デジヴァイス通じて拓也たちをスピリットのある場所へ誘導していた。ケルビモンによって「バラ明星」にあるケルビモンの城の中の光の結界幽閉されていた。ケルビモンとの戦いの中で、拓也達のデジヴァイス奪い返しケルビモン邪悪な力を浄化しようと試みるが、直後ケルビモン攻撃され尽き最後の力で拓也と輝二のデジヴァイス変化させ「ハイパースピリットエボリューション」の力を託しデジタマ戻った。後にプロットモンとして生まれ変わる必殺技は「セフィロート・クリスタル」「エデンスジャベリン」。 セラフィモン 声 - 檜山修之 デジタルワールド治める三大天使デジモン1人で、法と秩序司る究極体伝説の十闘士眠り就いた後、「光」・「風」2つスピリット保管していた。 ケルビモンの突然の襲撃によって傷つき、彼の魔力によって封印されていたが、拓也達のデジヴァイスによって解放されるデジタルワールド争い人間の子供を巻き込むことはできない拓也たちに帰ることを促すが、そこにメルキューレモンたちが襲来拓也たちを庇おうと戦うも敗北しデータ奪われデジタマにされてしまう。後にアルダモンメルキューレモンからデータ取り戻しパタモンとして生まれ変わる必殺技は「セブンズヘブンズ」。

※この「三大天使」の解説は、「デジモンフロンティア」の解説の一部です。
「三大天使」を含む「デジモンフロンティア」の記事については、「デジモンフロンティア」の概要を参照ください。

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