ワープロ文書の変換と保存
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 03:57 UTC 版)
「ワードプロセッサ」の記事における「ワープロ文書の変換と保存」の解説
ワープロソフト、ワープロ専用機で作成した文書はファイルとして保存する。ワープロ専用機はファイルを2DD、2HDなどのフロッピーディスク、オーディオカセットテープ(初期のパーソナル機のみ)、ハードディスク(一部機種)、S-RAMカードに保存するが、各社のワープロ専用機のフロッピーディスクの文書フォーマットも統一されていない状態で普及した。唯一、NECのみはフロッピーディスクのフォーマットを、パソコンのPC-9800シリーズ(MS-DOS使用時)と共通化していた。 さらに文書ファイルの内部はワープロソフトによってそれぞれ独自の形式になっている。このようなことからワープロソフト間、ワープロ専用機とパソコンのワープロ間でファイルを交換するには専用の文書ファイル・コンバータが必要である。そのために、「リッチテキスト・コンバータ」などのソフトも発売されていた。また、OASYS LX-9000 など後期の機種には文章コンバータが標準搭載されているため、そちらを利用することで各社形式から一太郎形式などへ変換することも可能である。ただし、カセットテープで記録されたものに関しては当時の実機材と専用オプションが必要になる。また、リコー・マイリポート JPシリーズでは変換用のソフトが存在せず、メーカー公式のデータ変換サービスも終了しているため新たに中古で入手する場合は注意が必要である。変換方法の存在しない機種での文書変換には実機での印刷後にOCR処理でPDFまたはテキストへ変換する必要がある。 次のような裏技もある。ワープロ専用機の全盛時代には、パソコン用ワープロソフト市場は、ジャストシステムの一太郎シリーズやマイクロソフトのワードが存在感をみせていた。このため、ワープロ専用機では、一太郎形式やワード形式には対応するものも多い。そこで、たとえば、書院形式からオアシス形式に変換する場合、書院で「書院形式」→「一太郎形式」でMS-DOSフロッピーディスクに文書を保存し、このFDを今度はオアシスで「一太郎形式」→「オアシス形式」に読み込めば、ある程度書式や罫線を維持したまま、異なるワープロ専用機の間で受け渡しをできた。 利用環境が限定されるが、FAXモデム搭載機であれば、 変換ソフトが無くてもISDNターミナルアダプタなど内線接続用アダプタを間に挟むことで、内線に接続されているFAXまたは複合機経由での印刷や PDF, jpeg, png などの汎用画像形式への変換(テキスト化にはOCR処理と修正作業が必要)、さらに複合機の機種によってはePub形式による電子書籍化、メールでの送信、スマートフォンでの閲覧やネットへの公開が可能である。内線であるため通話料は掛からない。 FAXを使用する方法は内蔵プリンタの故障・修理不能や消耗品の供給終了に怯えたり、故障の度に高額な修理費を用意する必要がなく、豊富に流通している入手性の良い中古複合機やFAX専用機を安価に活用できる。欠点として、はがきなど特殊用途の印刷は対応していない、解決策としては環境構築が煩雑であり、やや特殊な機材が必要になるため、レガシー技術についての知識と経験のある技術者の支援・指導が必要である。なお、ワープロ専用機側のFAXソフトウェアによっては内線の使用は不可能であるため、事前に説明書などで確認と検証が必要である。
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