ワルツ第1番 変ホ長調 華麗なる大円舞曲とは? わかりやすく解説

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ショパン:ワルツ第1番 変ホ長調 「華麗なる大円舞曲」

英語表記/番号出版情報
ショパンワルツ第1番 変ホ長調華麗なる大円舞曲Grande valse brillante Es-Dur Op.18 CT207作曲年1833年  出版年1834年  初版出版地/出版社Leipzig, Paris, London  献呈先: Laura Horsford

作品解説

2009年12月 執筆者: 安川 智子

楽譜所収情報
 パデレフスキ版No. 1エキエル版No. 1コルトー版:No. 1ヘンレ版:No. 1
ペータース版(原典版):No. 1補遺1[1833年7月10日付の自筆譜に基づく]、補遺2[補遺1の改訂版自筆譜(1833)に基づく]も収録

 「華麗なる大円舞曲 Grande Valse Brillante」としてよく知られるこのワルツは、ショパンにとって、出版され初めてのワルツである。自筆譜には「Grand」が付けられていないため、出版社によって書き加えられたと考えられる1834年パリライプツィヒロンドン次々と出版され人気呼んだ背景には、舞踏としてのワルツ人気関係している。とりわけパリでは、1834年オペラ座舞踏会ワルツ導入されるなど、急速にワルツ地位向上していた。
めまぐるしい旋回とそこから生まれ熱気興奮が、本来の舞踏としてのワルツがもつ魅力のひとつである。1831年パリへ移住する前に滞在したウィーン聴いたウィンナ・ワルツ(ヴィーナー・ヴァルツァー)には、ショパン心から共鳴することはなかったものの、少なからず刺激受けたようである。変ホ長調ワルツは、そのようなウィンナ・ワルツ影響がもっと強く感じられる作品のひとつである。
冒頭4小節導入象徴されるように、同音反復と、3拍子リズムに、アクセントスラー効果により2拍子感覚組み込む手法は、テンポ変えることなく旋回スピード上げていく。この序奏の後、5部分7つ楽節)が反復されながら連鎖していき、急に動き止めるような休符挟んでコーダフィナーレ)となる。ウェーバーの《舞踏への勧誘》に見られるウィンナ・ワルツ形式に近いが、一方で全体は「変ホ長調主題部変ニ長調変ロ短調組み合わせによる中間部変ホ長調再現部、そしてコーダ」という3部形式とも捉えられとりわけ中間部ショパンらしい抒情性表れている。
1833年7月10日付の清書自筆譜は、ジョージ・ホルスフォード将軍の娘であり、ショパンピアノ弟子でもあったローラ・ホルスフォードに献呈されている。決定稿とは多くの点で異なるため(ダ・カーポ形式であり、コーダはない)、ペータース新版補遺1に収録されている。一方1834年7月18日付のフェリックス・ヴォドジンスキ宛ての手紙には、「いま出版されたばかり小さなヴァルス》をお送りすることができますと書いており、ジュネーヴへの招待対す感謝込めてフェリックスの妹であり、ショパンその後深く想いを寄せるマリア・ヴォドジンスカに、このワルツ贈っている。(マリア・ヴォドジンスカについては、《ワルツ作品69-1を参照。)以後ショパンのワルツ上流階級令夫人令嬢贈られることが慣習となる。ショパンパリサロン文化着実に足場作り成功していく上でワルツ大きな役割果たしていくのである




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