ラグビーワールドカップに向けた大規模改修と市営化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 13:54 UTC 版)
「東大阪市花園ラグビー場」の記事における「ラグビーワールドカップに向けた大規模改修と市営化」の解説
東大阪市は、2019年に日本で開催されるラグビーワールドカップ2019の開催スタジアムに東大阪市花園ラグビー場を加えることを求めて署名活動を行うなどの働きかけを行っていた。 それに合わせる形で、近鉄が保有していた同ラグビー場(第1・2グランド)を東大阪市に売却するという計画が水面下で進められていた。スタジアムは老朽化が進んでおり、芝生の管理やスタンドの改修費用、さらには国際試合を誘致するに必要な大型映像システムや照明塔 などの設置費用が数億円程度かかり、近鉄の経営を圧迫する恐れがあることから、近鉄側から東大阪市に対し敷地の無償貸出しを検討、一方東大阪市側は近鉄から敷地を買い取る方向で調整が進められた。 その後2014年7月、花園ラグビー場の施設を近鉄から東大阪市に無償譲渡することで両者合意した。またラグビー場の敷地については、土地価格の査定鑑定を行ったうえで2015年度をめどに東大阪市が買い取る方向で準備している。 これにより2015年4月1日より名称は「東大阪市花園ラグビー場」となり名実ともに市営球技場となった。当初は近鉄側が東大阪市から命名権を購入する案も予定されていたが、東大阪市が「東大阪の名前を残すことにこだわりたい」と強く要望したためこのような形となった。 また市営化が実現したとしても、東大阪市単体では十分な改修費用を賄いきれない恐れがあるため、国土交通省と大阪府に対して、改修に向けた財政支援を求める意見書を提出した。 2014年10月、東大阪市が当スタジアムを開催候補地として日本大会組織委員会に立候補を表明。同30日、大阪府知事・松井一郎は、東大阪市長・野田義和との会談で、正式に開催地として決定した場合、施設改修費などの一部を除く開催費用を大阪府が半額負担する考えを表明した。 2014年11月、正式に日本国内の開催地14都市の一つとして立候補され、2015年3月、正式に開催地に認定された。これに先駆け、東大阪市が上述の土地購入を総額45億円で2015年度から5年間の分割払いすることで合意したと発表した。2015年度当初予算案には、その初年度の支払い分として約10億1400万円を計上、そのうちの3分の1に当たる3億3780万円相当は日本国政府からの助成を受ける。また前所有者であり、実業団ラグビーチーム「近鉄ライナーズ」を引き続き保有する近鉄も、東大阪市のラグビー振興や支援などを目的に5億円を寄付する。 この大規模改修の予算として、東大阪市は2016年3月、照明塔や北側ゴール裏の座席の新設など、国際大会誘致のために必要な改修費用約41億円を計上したが、W杯ラグビーを主催する団体である「ワールドラグビー (WR)」から照明の照度を高くすることや、ドーピングルームの設置など、追加工事が必要だと指摘された。このため、更に30億円程度の増額、合計71億円程度の予算が必要とされ、東大阪市議会では財政が圧迫するという理由で反対意見もあったが、日本政府からの助成による交付金を申請し、国土交通省から社会資本整備総合交付金(約17億4000万円)と、日本スポーツ振興センター主催のスポーツ振興くじ (toto/BIG)の助成11億8000万円の交付が認められ、これに東大阪市の当初の工事費用の計上分41億円と市民からの寄付2億4000万円と合わせて約72億6000円を確保することができた。 工事業者の選定を2016年12月までに行い、2017年年初ごろから増築・改修を開始。なおこの改修の関係で2017-18年度シーズンのトップリーグ(社会人プロリーグ)、関西大学ラグビーフットボールリーグなどの主要大会は開催されなかったが、全国高校ラグビー大会の本大会開催期間中は工事を中断し通常通り開催された。 2018年9月に改修が完了し、同年9月20日にマスコミ向け内覧会が開催された。 ラグビーワールドカップ2019では予選プール戦が開催され、プールBのイタリア - ナミビア(9月22日)、プールCのアルゼンチン - トンガ(9月28日)、プールDのジョージア - フィジー(10月3日)、プールCのアメリカ合衆国 - トンガ(10月13日)の4試合が開催された。
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