ライトとギルドの実験結果からCIE XYZ 色空間へ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/13 06:12 UTC 版)
「CIE 1931 色空間」の記事における「ライトとギルドの実験結果からCIE XYZ 色空間へ」の解説
.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}メディアを再生する メディアを再生する sRGB色空間の色域(左)およびD65光源下における可視光の色域(右)をCIE XYZ色空間上にプロットした図。 X と Z は水平方向軸であり、Y は垂直方向軸。 メディアを再生する メディアを再生する sRGB色空間の色域(左)およびD65光源下における可視光の色域(右)をCIExyY色空間上にプロットした図。 x と y は水平方向軸であり、Y は垂直方向軸。 CIE RGB等色関数を使ったヒトの視覚のRGBモデルの確立の過程で、CIE特別委員会のメンバーはCIE RGB色空間と関連しつつも異なる別の色空間を定義しようと考えた。その色空間はグラスマンの法則を踏襲しつつ、CIE RGB色空間を線形変換することが検討された。この新たな色空間は、上記記載の3つの新たな等色関数 x ¯ ( λ ) {\displaystyle {\overline {x}}(\lambda )} , y ¯ ( λ ) {\displaystyle {\overline {y}}(\lambda )} , および z ¯ ( λ ) {\displaystyle {\overline {z}}(\lambda )} を導入することになった。この新たな色空間は下記の必要条件を考慮に検討が重ねられた: 新たな等色関数はすべての点で負の値を取らない。1931年当時においては、手計算あるいは計算尺が使われていたため、計算を簡略化するためには正の値が望まれる。 等色関数における y ¯ ( λ ) {\displaystyle {\overline {y}}(\lambda )} は、"CIE測色標準観察者"における比視感度 V(λ) と正確に一致する。比視感度は波長ごとの輝度の知覚の揺れを定義している。比視感度は実際にRGB等色関数の線形組み合わせで表現できるという事実は、どんな手法であっても保証されていないが、ヒトの視覚の近似的線形性により、ほぼ正しいと期待できる。この必要条件の主な理由は計算の簡略化にある。 すべての光の強さが等しい白色点では、 x = y = z = 1/3 を満たす。 色度とx および yが正の値をとることにより、色域内のすべての色が三角形[1, 0], [0, 0], [0, 1]に内包される。実際に色域はこの三角形の領域に完全に内包される。 等色関数における z ¯ ( λ ) {\displaystyle {\overline {z}}(\lambda )} は、650 nm以上においてゼロに設定でき、その精度は実験誤差の範囲にとどまる。これは計算簡略化のための必要条件である。 幾何学的観点においては、この新たな色空間を定義することは、rg色度座標上に新たな三角形の領域を定義することと等価である。右上の図で、rg色度座標はCIE 1931測色標準観察者の色域にそった2つの黒線の軸で描かれている。赤色の線はCIE xy 色度軸であり、上記必要条件を満たすように決められた。上記必要条件のXYZ座標値が負の値を取らないという条件については、Cr, Cg, Cbが標準観察者の色域すべてを包含することと等価である。Cr と Cb を結ぶ直線は、 y ¯ ( λ ) {\displaystyle {\overline {y}}(\lambda )} が輝度と一致するという条件を満たす。この直線は輝度がゼロの直線であり、無輝面と呼ばれる。 z ¯ ( λ ) {\displaystyle {\overline {z}}(\lambda )} が650 nm以上においてゼロであるという条件の意味は、Cg と Crを結ぶ直線が、 色域内のKrの領域と接していることを表す。これは Cr の位置を表す。すべての光の強さが等しい点で x = y = 1/3 となる条件は、Cb とCgの交差する点を制限する。最後に、条件の一つである色域が三角形領域に内包されるについては、緑色の領域の色域に近接するCg と Cbを結ぶ直線に第二の制限を与える。 これらの変換は、CIE RGB色空間からXYZ色空間への線形変換として定義できる。こうしてCIE特別委員会で定義された変換式は下記である: 変換行列内の数値および小数点の数については、CIE の標準が定義する数値そのものである。 [ X Y Z ] = 1 b 21 [ b 11 b 12 b 13 b 21 b 22 b 23 b 31 b 32 b 33 ] [ R G B ] = 1 0.176 97 [ 0.490 00 0.310 00 0.200 00 0.176 97 0.812 40 0.010 630 0.000 0 0.010 000 0.990 00 ] [ R G B ] {\displaystyle {\begin{bmatrix}X\\Y\\Z\end{bmatrix}}={\frac {1}{b_{21}}}{\begin{bmatrix}b_{11}&b_{12}&b_{13}\\b_{21}&b_{22}&b_{23}\\b_{31}&b_{32}&b_{33}\end{bmatrix}}{\begin{bmatrix}R\\G\\B\end{bmatrix}}={\frac {1}{0.176\,97}}{\begin{bmatrix}0.490\,00&0.310\,00&0.200\,00\\0.176\,97&0.812\,40&0.010\,630\\0.000\,0&0.010\,000&0.990\,00\end{bmatrix}}{\begin{bmatrix}R\\G\\B\end{bmatrix}}} 上記行列の逆行列はCIEでは定義されていないものの、以下のように近似できる: [ R G B ] = [ 0.418 47 − 0.158 66 − 0.082 835 − 0.091 169 0.252 43 0.015 708 0.000 920 90 − 0.002 549 8 0.178 60 ] [ X Y Z ] {\displaystyle {\begin{bmatrix}R\\G\\B\end{bmatrix}}={\begin{bmatrix}0.418\,47&-0.158\,66&-0.082\,835\\-0.091\,169&0.252\,43&0.015\,708\\0.000\,920\,90&-0.002\,549\,8&0.178\,60\end{bmatrix}}{\begin{bmatrix}X\\Y\\Z\end{bmatrix}}} 上記条件3から、XYZ等色関数の積分値はすべて等しくなり、条件2の比視感度の積分値からこれらの値が設定される。このため感応曲線はある程度の恣意的な値が見込まれる。X, Y, Zの感応曲線の形状は十分な精度で測定することができる。しかしながら、被験者は2つの光源が、仮に全く異なる色度であっても等しい明るさを持つかを判断しなければならないため、全体の明度曲線(実際にはこれら3曲線により重みづけの影響をうける)は主観的データである。同じ直線上において、X, Y, Zの曲線の相対的大きさは恣意的に選択されたデータである。さらには、Xの感応曲線は2倍の強さをもつものでさえ、有効な色空間として定義できてしまう。この新たな色空間は、異なる形状をもつことになる。このCIE 1931および1964 XYZ色空間の感応曲線は、これら感応曲線により同じ領域に線形写像することができる。
※この「ライトとギルドの実験結果からCIE XYZ 色空間へ」の解説は、「CIE 1931 色空間」の解説の一部です。
「ライトとギルドの実験結果からCIE XYZ 色空間へ」を含む「CIE 1931 色空間」の記事については、「CIE 1931 色空間」の概要を参照ください。
- ライトとギルドの実験結果からCIE XYZ 色空間へのページへのリンク